発表授賞式アマチュア部門

日本ゲーム大賞2018「アマチュア部門」では去る5月1日から6月30日まで法人、団体、個人にかかわらず、アマチュアの方が制作されたオリジナルで市販されていない作品を募集致しました。

その後、業界誌編集者、クリエイターによる審査を経て、各賞を決定いたしました。

発表授賞式では、最終選考会の審査員にプレゼンターとしてご登壇頂き、トロフィーの授与と各作品の講評を述べて頂きました。

最終審査員/プレゼンター(50音順 敬称省略)

プレゼンター 代表作
株式会社KADOKAWA 千木良 章 電撃PlayStation 副編集長
株式会社コーエーテクモゲームス 宮内 淳 真・三國無双シリーズ(1、2,3,4,6,7,英傑伝、8)
ディレクター
株式会社コナミデジタルエンタテインメント 御子柴 英利 モンスター烈伝 オレカバトル・オトカ♥ドール
エグゼクティブディレクター
株式会社Gzブレイン 三代川 正 ファミ通.com編集長代理、週刊ファミ通副編集長
株式会社スクウェア・エニックス 甲斐 聖現 スターオーシャン:アナムネシス(iOS/Android)
STAR OCEAN 4 HD Remaster プロデューサー
株式会社セガゲームス 三神 桂 戦場のヴァルキュリア3及び4 プロデューサー
株式会社ディー・エヌ・エー 加賀美 聡 FINAL FANTASY Record Keeper シニアディレクター
株式会社バンダイナムコエンターテインメント 上田 彩乃 家庭用太鼓の達人シリーズ
PS4「太鼓の達人 セッションでドドンがドン!」
Switch「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!」
プロデューサー
株式会社ポケラボ 下村 大輔 AKB48ステージファイター2 バトルフェスティバル
戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED
プロデューサー

優秀賞

優秀賞には6つの作品が選出され、各受賞者にはトロフィー及び副賞が贈呈されました。

アマチュア部門 優秀賞

Glalear

HAL大阪 TINY MAD KID

株式会社バンダイナムコエンターテインメント
上田 彩乃 氏

受賞チーム
TINY MAD KID

上田氏

今回の「うつす」というテーマの中で、炎を使って映すという作品がいくつかありましたが、その中でもこの作品は、ガラスの手前を明るくして奥の物を映したり、主人公であるランタンの自分の手元にある明かりをつけることで逆に映っている物を消したりするアイディアが素晴らしかったです。

歩いている足音が、地面の材質によって変わったり、外壁の質感やガラスに映る様子など非常に細かく作り込まれていて、とにかくクオリティが高い作品だと感じました。

さらにこの主人公のキャラクターも、ランタンなので一見無機質に見えますが、キュコキュコ動く様子や、たまにまばたきしたりする仕草など、細部に渡って細かく、可愛らしく作り込まれていました。

審査員の全員がクオリティが高い作品だと感じており、トータルで見ても非常に素敵な作品だと思います。受賞、おめでとうございます。

受賞者

この度は、日本ゲーム大賞アマチュア部門の優秀賞という賞をいただいたことを嬉しく思います。

このゲームは4カ月という短い制作期間ではありましたが、面白さを追求することにチーム全員が妥協することなく作った作品となっており、その成果がこのような形で評価されたことを大変嬉しく思います。ありがとうございました。

アマチュア部門 優秀賞

Silhouette

HAL大阪 White Company

株式会社セガゲームス
三神 桂 氏

受賞チーム
White Company

三神氏

本作は非常に完成度が高い作品で、審査員皆さんの評価も高かったです。

パッと見た瞬間に、プレイヤーに何をやらせたいかすぐに分かる作品となっており、実際にプレイしてみると、手前側の光源になっている主人公を動かすだけというシンプルなゲームでありながら、実は各フロアごとにテーマが決まっていて、最初はパズルっぽいゲームから、だんだんアクション寄りになっていき、プレイヤーに対してかなり繊細な操作を要求してくるゲームに変わっていくなど、最初に感じた印象からゲーム性が大きく発展していく意外性のある作品でした。

私も最後までクリアさせていただきましたが、最後のステージのほうではかなり細かな操作をして、「やっとクリアしたぞ!」という達成感を感じることができ、非常に楽しかったです。受賞、おめでとうございます。

受賞者

White Companyのブラック社長です(笑)。まずはこのような素晴らしい賞をいただけたことを、本当に嬉しく思います。

私たちのチームは、初めは真面目なメンバーばかりが集まった印象でしたが、制作を進めていくうちにどんどん、「こいつら、実は真面目じゃなくて頭がおかしいな(笑)」と思うほど、すごく楽しい雰囲気で作ることができました。このチームでの制作作業は本当にめちゃくちゃ楽しかったです。だからこそ、目標としていたこの舞台に上がれたことを、本当に嬉しく思います。

最後になりますが、このような賞をいただけたのは、協力していただいた先生方や先輩方、そしてデバッグなどをしてくれた友人たちのおかげだと思っております。本当にありがとうございました。

アマチュア部門 優秀賞

Trickle

日本電子専門学校 teamTrickle

株式会社コーエーテクモゲームス
宮内 淳 氏

受賞チーム
teamTrickle

宮内氏

本作で我々が最も評価したポイントは、コンセプトになります。

今回の募集テーマは「うつす」でしたが、「うつす」の場合は「うつすもの」と「うつされるもの」、この二つの関係を軸にゲーム性を構築していく作品が多かった中で、本作は状態遷移という、固体、液体、気体の三つのステータスをゲームの軸に入れる。さらに水そのものの場所を移したり、水の色を移したりなど、「うつす」を二重、三重に絡めていく、非常に複雑なコンセプトに基づいて作られた作品になっています。

それにもかかわらず、非常にぬくもりのある、完成度の高いグラフィックで、決して作品の敷居を高くし過ぎない部分も、アマチュアっぽくないプロらしい作品で、チュートリアルも非常に良く考えられており、我々審査員も感心させられた作品でした。優秀賞、おめでとうございます。

受賞者

この度はこのような名誉ある賞をいただき、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。

テーマが発表されてから、どのようにしたら面白いゲームになるか、良いゲームになるかをチーム全員で考え抜いてきたので、今日この場に立てたことを本当に嬉しく思います。

最後に、指導してくださった先生方やプレイして下さった審査員の皆様、この作品に関わってくださった全ての皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

アマチュア部門 優秀賞

Projection

早稲田文理専門学校 チーム投影

株式会社ポケラボ
下村 大輔 氏

受賞チーム
チーム投影

下村氏

この作品は、影を映すというテーマの取り扱い方をしていますが、2Dの映される側の世界と3Dの映す側の世界がそれぞれ影響を及ぼし合うステージとなっており、パズルとアクションの二つを兼ね備えた非常に作り込まれた作品だと感じました。

また、サウンドを聞いていただければ分かると思いますが、世界観やビジュアルも非常に良く、のめり込ませる没入感のあるエンターテインメント性の高い作品だと感じました。制作チームの皆さんのクオリティに対して妥協のない姿勢であったり、持っている技術なども作品から感じ取れました。

この作品は、個人的には非常に好きで、こういうものを作れる方々と一緒に働きたいと思わせる作品でした。受賞、おめでとうございます。

受賞者

初めて賞というものをいただくので緊張しておりますが、このような栄誉ある賞をいただくことができて、本当に嬉しいです。

世界観や、音楽の選曲に関しては、チーム全員で意見を出し合いながら決めていき、作り上げていったので、チームのみんなには大変感謝しています。ありがとうございました。

アマチュア部門 優秀賞

PROJECTION REMAINS

日本工学院専門学校 とんこつラーメン

株式会社Gzブレイン
三代川 正 氏

受賞チーム
とんこつラーメン

三代川氏

見た目の雰囲気からも、統一感のある世界観のグラフィックが印象的ですが、何より触ったときのテンポ感、手触りの良さが光る作品でした。

「映す」ということをテーマにした作品は多かったのですが、その中でもカメラとスクリーンを使って、制限付きのギミックで、パズルにするというアイディアも秀逸で、同じ「映す」テーマの消化をした作品の中でも、頭一つ飛び抜けた作品だと感じます。

また、レベルデザインも、チュートリアルからよく出来ており、遊ぶ人の気持ちになって作っているのを強く感じました。遊んでいて非常に楽しく、ついつい先まで遊び続けてしまう非常にレベルの高い作品になっていたと思います。

最終審査に残った作品の中では個人的に一番好きな作品で、次の作品もぜひ期待したいと思います。おめでとうございます。

受賞者

本当にありがとうございます。

このチームは経験豊富な先輩がいて、自分も含めた3年の2人、一緒に制作作業をしてくれた2年の後輩2人で編成された学年を飛び越えたチームでした。

日々トライ・アンド・エラーで、デバッグが非常に大変だったのですが、それでもお互い妥協せず、悪いところは悪い、良いところは良いと、話し合いながら進めてきたから、このようなゲームができたと思っています。チームのメンバーには言葉にできないぐらい感謝しております。本当にありがとうございます。

アマチュア部門 優秀賞

マスシフト

HAL大阪 ゴリラと愉快な飼育員たち

株式会社ディー・エヌ・エー
加賀美 聡 氏

受賞チーム
ゴリラと愉快な飼育員たち

加賀美氏

重さを自キャラとオブジェクトに移しながら進めていくという発想が非常に面白かったです。

実際にゲームを進めていくと、水の中で浮いてみよう、潜ってみよう、風に吹かれないようにしてみようなど、ルールを把握すれば、直感的にどうすればいいのか理解できるギミックがちりばめられています。私はこの作品を一番プレイしていたのですが、非常に楽しく遊ばせていただきました。

発想したアイディアに基づいて、世界観やメカニクス、UIやサウンド、フィールド構成など様々なゲームの要素について高いクオリティで作品に落とし込まれていて、レベルデザインも進めていく中で徐々に歯ごたえが出てきて難しくなっていき、夢中になる感覚を味わわせていただきました。

きっと、このチームの皆さんは仲がいいだろうと、何となく想像できて、最後まで詰めきって、制作現場に思いをはせることができるような、そんな作品になっていたと思います。

実際にプロになってからの制作現場でも、チームワークは非常に重要なので、その気持ちを忘れずに、これからも頑張っていただければと思います。おめでとうございます。

受賞者

このような賞をいただくことができて、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。

自分はゴリラみたいにうまく言葉で伝えることができなくて、助けてくれる人を探して、このチームをつくりました。実際の制作作業の中でも色々と助けてもらいながらゲームを作り、それを学校の友人たちにたくさんプレイしてもらい、ようやくいい作品ができたので、チームメンバーや協力してくれた学校のみんなにも大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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