選考委員会委員長 養老 孟司
選考委員長を務めて、10年位になると思いますが、業界として
ずいぶんと落ち着いて来て、本当に素直な表彰式になったと思いました。
最後に表彰された大賞でも感じたのですが、クリエイターの方とユーザーの方が、ゲームをはさんで対峙する距離が緊密になったと感じます。
ゲームが人々の日常や生活の中に広がっておりますが、この10年を
今思い出しますと色々なことがありました。
ゲーム自体が決して良い捉え方をされなかった時代もあったと記憶して
います。色々と脳に悪い等、そんな話もありました。
ですが、ゲームが特別なものではなく、世界中で、ごく当たり前のコトの
一つとして捉えられるようになってきました。
ごく当たり前のコトですから、特別、問題となるようなことは特に無い。
今日の授賞式を見ながら、何となくそう思っておりました。
ここまで来ると、一つの産業として立派に発展を遂げたゲーム産業を安心して見ていられるような
気がしております。
ものを作りに一生懸命に取り組む時、人の楽しみを作るというのは、私は非常に大切な事であると感じます。
今、世界中で国家間で様々な争い事が起っていますが、そのような事をするよりは、ゲームの制作に
一生懸命取り組んでいる方が、結局人間として幸せなのではないかということを、今日はしみじみと
感じておりました。
将来このゲーム業界や世界が正しい方向性を持って発展していくことを期待しております。
受賞者の皆様方、おめでとうございます。
これにて講評とさせて頂きます。有難うございました。