海外では『Scribblenauts』の名前でミリオンセラーになっている作品です。
海外では2009年9月に発売で、日本への移植は2011年1月。三年目に入っての受賞となります。
ゲーム内容は、さまざまな単語を打ち込むと、その名前通りの物体が出現するものです。
例えば「せんし」に「けん」を持たせ、「うま」にまたがらせて「ドラゴン」と戦わせることができます。
物体、道具、乗り物、建物、職業、衣類、動物、植物、架空の生き物、飲み物、食べ物、液体や気体や天体に
至るまで、2万以上のアイテムとそのリアクションの多さが楽しめる作品です。
ゲーム内にクリア目的は用意されているのですが、それは本質ではありません。出現させるアイテムにしても、
その組み合わせにしても、プレイヤーには常に工夫が求められます。
ゲームの自由度は、ゲーム作りにおいて常々語られています。同じ作品を楽しませた人々と、
まったく異なる体験をさせることは、ゲームでしかできません。
このゲームならではの自由度を、非常に多くの作り込みと合理的なシステムで構築し、プレイヤーの
“遊ぶ気持ち”にゆだねた点が高く評価され、審査員間の得点トップでの受賞となりました。
今年の審査においては、珍事が起こりました。
日本ゲーム大賞の一般公募における本作への得票数を、ゲームデザイナーズ大賞審査員の支持者数が
上回ったのです。
日本ゲーム大賞の投票数は数千、ゲームデザイナーズ大賞審査員は12人です。
ゲームの作り手たちが、従来の日本ゲーム大賞とは大きく異なる判断基準を示したことに対し、
大きな意味を感じられる審査だったと言えます。