すごくシンプルなゲームですが、作者がイメージしたとおりに出来上がったことが伺える、
完成度が高いゲームです。
次々と現れる光の粒(ネオン)を、線でなぞって消すだけという
シンプルなルールでありながら、すばやく連続して消すほど高得点というルールがあるので、
すばやく正確に線を引こうと思うだけで、力んで思う通りに線が引けなかったりして、
ちょっとした緊張感が現れ、単純作業にも退屈しません。
またネオンも、色とりどりなのはもちろん、波型や星型など様々な形で楽しませてくれ、
さらに、ステージが進んでいくとネオン自体が動き出したり、消灯して見えなくなる時間が
発生するなどの変化が出てくるので、動きを予測して線を引くなどの対応が必要になります。
こうなってくると、単純に線を引っ張ってネオンを消すだけなのに、「まとめて消すためには…、どのタイミングで、どこからどこまで、
どのスピードで行くべきか?…」と、思いのほかに知恵を絞らされ、奥深さが出てきます。
それだけに思い通りに決まったときの爽快感や達成感も十分に得られ、
ゲームとしての面白さがこのシンプルなゲームの中に、十分入っていることがわかりました。
また、グラフィックも超がつくほどシンプルですが、夜の街に浮かび上がるネオンの雰囲気を上手く出せており、
これまた、夜の街の雰囲気を感じさせるBGMと効果音と合わせて、良い雰囲気を出しています。
このネオンという題材(世界観)にしたことが、このゲームの魅力を何倍も高めており、
個性的かつゲーム、グラフィック、サウンドすべてが統一された心地よいものに仕上げられたのだと思います。
パズルゲームにありがちな、よくわからない宝石チックなブロックやファンタジーの世界にしていたら、
おそらく目に留まらなかったと思います。
繰り返しになりますが、ゲームのアイデア、ルール、ステージの構成、ネオンという世界観とそれに沿ったグラフィック、
サウンド、そしてタイトル名まで、作者がしっかりとイメージして形作ったことがわかります。
シンプルなゲームではありますが、すべてに目を行き届かせて作りきった完成度の高さがあり、
ゲーム自体も、誰でも気軽に楽しめるよいゲームだと思います。