受賞作品アマチュア部門
大賞・優秀賞新年3秒前
作品概要
タイトル | 新年3秒前 |
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プラットフォーム | PC |
学校名 | 日本工学院専門学校 |
受賞者名 | we have 遊び心 |
大賞・優秀賞 選考理由
実際に多くの人が行う年越しジャンプを題材に「ジャンプをした状態で新年を迎えられればクリア」というよいゲームの証ともいえる3秒で説明できるわかりやすいゲームルールにまず好印象をもちました。
開発メンバーみなさんのこだわりは「バカゲーをつくること」。
バカゲーとは一般常識を超えたシチュエーションとテンポのよいゲームプレイでプレイヤーを笑わせ楽しませることだと思いますが、バカゲーらしさに求められる、世界観のナンセンスさ・テンションの高さはもちろんのこと、特筆すべきはテンポの良さで、ゲームリトライ時のタイトル読み上げ調整や、ステージ選択がスティックの方向指定でできることなど、細部に渡るまでハイテンポがキープできるように丁寧に作られていることに感心しました。
世界観だけでなくゲームプレイも、しっかり面白いです。アイテム間の距離を見ながらどういう流れでジャンプしていこうかをまず考えて、ジャンプ中のアクション操作を調整し、新年を迎えてからもよりスコアを伸ばそうとジャンプを続ける流れは、ゲームの基本である思考・操作・工夫・達成がキッチリと出来ていて、前述のテンポの良さも相まって遊んでいて楽しい!もっとプレイしたい!という気持ちになることができました。
操作感もレベル設計も違和感がなく気持ちよく遊べるゲームになっています。プレイヤーは操作に集中しているだろうことを前提に、ボイスでゲーム状況のサポートがあるのも開発者のプレイヤーへのおもてなしの心を感じられました。
全ステージをクリアした時のスタッフロールでもジャンプの遊びが入っていて、バカゲーのよさの一つであるゲーム開発者が楽しくゲームを作っているように感じられるところまで作りこまれています。あまりにそつのない作りは「バカゲー界の学級委員長」と言える出来です。
全体的に高いレベルで出来ているので十分満足ではありますが、例えばストーリーはゲームの設定と残りゲームの状況を伝えテンポの良さを阻害しないという意図で作られていることが透けており、またグラフィックもバカゲーらしい緩さと簡単さを感じられる見た目であること(と恐らく完成させやすいクオリティであること)が要件の裏に隠れていて、絵でゲームの面白さを増させるアイディアは少なく感じました。バカゲー好きが真に求めるインパクトやくだらなさにやや欠けてしまった所が少し残念です。そんなところが学級委員長たる所以でもあります。
でもプレイヤーのことを考えて丁寧に作られたゲームには愛があり「バカゲー界の真面目で優しい学級委員長」は、愛せるゲームと感じました。売るときはエンドレスモードがほしいです。
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
冨所 弥生
大賞おめでとうございます。
ナイスゥ~!
たくさんの面白くこだわりのある作品の中から、新年3秒前が選ばれたというのは本当にすごいことだなと思っております。PVを最初見たときの印象から何かワクワクするこだわりを感じ楽しみにしていた作品でした。
ぶっちぎりのテンションに、山盛りの効果音、そして、おバカなストーリーは新年。1ステージ目の鏡餅を踏みつけた瞬間からゲームにハマってしまい、実際にプレイしてみて直観は間違ってはいなかったとあらためて思いました。
細部にわたって作り込みが徹底しており、ゲームも進行していくごとに様々な仕掛けがほどこされていて
遊び込むごとにその不思議なゲームの世界観に引きずり込まれる感じ。ゲームをしながら画面に向かって独り言でツッコミをし始めた時点でゲームと一緒に楽しんでいる自分がいるのがわかりました。
バッターに混ぜてバッタが置いてあるシュールさ。カウントダウンもスリー、ツー、いち?あれ?と思い再度確認してみると…さん、ツー、いち?これ毎回違うのか!?と聞き間違いなのかどうかわからなくて何回もプレイして聞いていました。亀は甲羅になって落ちちゃうし、門松はロケットになって飛び上がるし、途中で3秒前じゃなくなるし。
最期のスタッフロールもクリアまでの思い出を噛みしめるのではなく踏んで楽しめる。といたせりつくせり。さらにはクリアすると隠しキャラが登場するのも味わい深かったです。
製作者のこだわったネタを発見するのが楽しくなる探索ゲーみたいな側面も持ち合わせていて、かなりナイスゥ~なゲームでした。
何を言っているかわからないかもしれないですが、体験してもらえればそのこだわりが随所に見てとれるのかなと思います。
本当におめでとうございました。
株式会社カプコン 一瀬 泰範
この作品について
主人公「ボッチ」を操作。指定された新年までの制限時間の間、宙に浮いた状態をキープし、空中で年越しを目指すジャンプアクションゲーム。
「全応募作品の中で一番テンションの高い作品」であることにこだわった作品。
ルールはいたってシンプル。ステージ内のオブジェクトを踏みつけながらジャンプし続けるだけ。地面落ちるとゲームオーバー。
制限あるジャンプ回数はオブジェクトを踏むことで回復。しかし、ステージが進むにつれて触れてはいけないオブジェクトや、天井が床となる無重力空間、制限時間が3秒より長くなるステージなど、一筋縄ではいかないトラップが出現しプレイヤーを悩ませます。
見た目のユルさとは裏腹に、スティックでの直感的なステージ選択やリトライ時のスキップ機能などで、ゲームのテンポの良さを生むとともに300種類以上の肉声を収録・加工した効果音でハイテンションなゲームをより一層盛り上げています。
このアマチュア部門では見慣れない、いわゆるバカゲーとしての面白さをとことん追求し、ポップで独特な世界観を見事に表現した、ユーモアあふれる作品です。
ゲーム制作者のコメント
この度は大賞という大変名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。
新年3秒前の「こだわり・面白さ・テンションの高さ」が授賞式を通して皆様に評価されたことが実感でき、凄く嬉しい気持ちでいっぱいです。
1ヶ月遅れで制作が開始され開発期間が短かかったり、このゲームならではの問題である収録環境を用意したりと色々と苦難がありました。
しかし、アマチュア部門では見たことない「テンションの高いバカゲー」をコンセプトに制作してきたこの作品は今、先生方やチームメイトのおかげで「最高にテンションの高い、ナイスゥ~なバカゲー」になったと思います。
そして、アドバイスをくださった先生方、司会の皆様、審査員の皆様この度は本当にありがとうございました。
チームメンバーと、新年3秒前に全力で...ナイスゥ~!!