受賞作品アマチュア部門

優秀賞LUMINO La ruta naturaL

本作をプレイしてとにかく驚いたのは “テーマの反映度の高さ”と“完成度の高さ”です。

まず今回のテーマ「メビウスの輪」については、なかなかストレートには消化しにくい、難易度の高いテーマだったと思います。

ですがその中で本作は“ひねり”“つながる”という要素をうまく取り入れ、さらにグラフィック上でもメビウスの輪らしいエフェクトを採用。

初見のプレイヤーにも直感的にテーマが伝わるようになっています。これは真摯にテーマと向き合った結果だと感じました。

さらに素晴らしいのが完成度です。

迷子の精霊を助けるという目的にマッチした、やさしく美しいグラフィック。主人公をワープさせるために空間を四角形に区切る際の自由度の高さ。

さらには操作感や音楽に至るまで、すべてがトータルでまとまっており、商業作品として世に出ていても違和感はないと言っていいでしょう。

その一方では“まとまりすぎている”という面もあり、欲を言えばゲーム内の要素や手触りに、もう少しだけ尖った部分が欲しかったとも感じました。

とは言え、本作が応募作品のなかで突出したクオリティであることは間違いありません。

優秀賞おめでとうございます。ぜひ今回の受賞をステップに、また素敵なゲームを作り続けてください！

KADOKAWA Game Linkage　千木良章

不思議な力を持つ主人公「ルミノ」を操作し、５つの世界にいる迷子の精霊たちを救うパズルアクションゲーム。

テーマである「メビウスの輪」そのものをギミックとして落とし込み、その特性である「ひねり」や「つがっている」という形状を生かした作品。

プレイヤーは、ルミノの持つ特殊能力「メビウスループ」を駆使して自由に空間を移動、上下左右離れた場所にいる精霊たちを救出していきます。空中や天井など、通常では届かない所にいる精霊を救うには、どこからどこまでを「メビウスループ」で区切り移動するかが攻略のポイント。

迷子の精霊を助けるという世界観にマッチした優しく美しいグラフィック、各ステージにおけるテーマ設定と表現にもこだわりが感じられるセンスあふれる作品です。

入学当時から常に意識してきたコンテストであり、この場に立つことが目標でした。私たちががむしゃらに作り続けた作品を評価して頂き、非常に嬉しく思います。

今回テーマ消化をする上で、このゲームを一目見て「メビウスの輪を題材にしたゲームだ」と思ってもらえるようにシステム・演出・デザインへ落とし込もうと、テーマと正面から向き合いました。

また、ゲームに必要となる全ての要素を「高いクオリティで仕上げる」このことをメンバー全員が常に意識し、全要素をチーム内で制作することにこだわりました。

審査員の方々に「商業作品として世に出ていても違和感のない完成度」と評価して頂いたことは、将来ゲーム業界で活躍することを夢見ている私たちにとって非常に励みになるお言葉でした。

貴重なお時間をかけて厳正なる審査をしていただいた審査員の方々、高い熱量を持って制作を共にしてくれたメンバー、厳しくも熱い指導をして下さった教官の皆様。

私たちの作品にかかわっていただいた様々な方へ感謝をお伝えします。