受賞作品アマチュア部門

優秀賞bluem

作品概要

タイトル bluem
プラットフォーム PC
学校名 名古屋大学
受賞者名 jack

優秀賞 選考理由

受賞おめでとうございます!

完成度が高く、雰囲気のあるセンスのよいアドベンチャーゲームに仕上がっています。

印象的な光の使い方もうまい。操作方法やゲームの進め方についても、言葉を使わずうまく説明していて好感が持てます。

実は、受賞作品の選考にあたって選考委員の中で議論がなされたのが、このゲームの中での「猫」の存在でした。

具体的な内容はこの作品を体験なさる皆様ご自身でお感じいただきたいのであえて避けますが、少なくとも僕はとても素敵な、ある意味新しいゲームのファクターの有り様なのかなと感じました。

是非これからも我々の業界で新しいエンターテイメントを作っていきましょう!

コナミデジタルエンタテインメント 岡村 憲明

この作品について

テーマの音を「雨の降る音」と捉えた作品。

光を失い雨が降り続く世界で、偶然出会ったロボットとネコが、光と緑を取り戻すために旅をするアクションアドベンチャーゲーム。

プレイヤーは旅の途中で手に入れる不思議な力を持つ傘を駆使し、しおれた草木を復活させていきます。蘇った草木は光を放ち、ロボットたちの道を作る手助けをしてくれます。

テーマとなる音を「雨の降る音」と捉え、やまない雨と吹き荒れる風からなる負の世界観を構築。二人で旅するロボットとネコは、表情などは見せないものの、その動きは、どこかあたたかい絆を感じさせます。

ゲーム内には操作説明以外の言葉は一切登場せず、効果音も水の流れる音や時折強くなる雨音など最小限で構成されており、限られた表現のみで独特の世界観を築き上げた、センスあふれる作品です。

ゲーム制作者のコメント

この度は、優秀賞をいただき誠にありがとうございます。

本作はテーマの音から雨を連想し、その音が生み出す空気感・世界観を表現してみたいという思いから始まりました。

出発点が世界観であったため、制作の初期はストーリーや雰囲気の形成に明け暮れ、まるで映画を作っているようでした。ここからゲームに落とし込むのは困難を極めました。

作中では言葉が一切出てこず、爽快なアクションも難解なパズルもありません。
ネコとロボットが一つの傘の下で歩み、美しい景色に出会う。
このゲームはそれで十分なのだと思います。

正直、制作者の私でさえこのゲームの面白さが何なのか、そもそも面白さというものが存在するのか、よく分かっていません。

ただ、見出したことがあるとすれば、ゲームには面白さや楽しさ以外の何かを表現する力があるのではないかという事です。

あたかもゲームらしくない本作が受賞したことはその証明のようでもあり、心より嬉しく思います。