タイトル | Glalear |
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プラットフォーム | PC |
学校名 | HAL大阪 |
受賞者名 | TINY MAD KID |
『プロが嫉妬する作品』
「うつす」というテーマを、ガラスに映すというシンプルなルールに落とし込むことで、リアルなビジュアル表現を実現しながら遊びやすく、敷居の高さを感じさせないデザインになっています。
チュートリアルで、ほぼすべての操作を遊びながら覚えることができ、マニュアルを読まなくてもプレイ出来る点も高評価です。
グラフィックについて、質感の高さやデザインのユニークさ、多彩なモーションなどから、完成度の高さをすぐに感じられました。
また、サウンドを全てオリジナルで準備したことも、世界観をプレイヤーに伝えることに、大きく寄与出来ています。
技術的に興味深い点として、点光源を多用することで、床面などの法線ディテールが際立っている点が挙げられます。このことでサーフェースの質感が際立って、リアルな表現を可能しただけでなく、独特の世界観に現実感を与えることに成功しています。
コンセプト、グラフィック、サウンド、技術力が、高いレベルでバランスされた事で、本作への興味が自然に湧き出るような作品に仕上がり、主人公はどうしてこのような形なのか?どこから脱出しようとしているのか?など、世界観から派生するストーリーを想像せずにはいられませんでした。
『プロが嫉妬する作品』と言えるほどの本作に脱帽です。
大賞にふさわしい作品でした。本当におめでとうございます。
コーエーテクモゲームス 宮内 淳
炎の明かりを用いて「うつす」というアイデアは他の作品でも取り上げられているアイデアでしたが、ガラスにものを「うつす」ことで道を作ったり、逆に「うつさない」ことで通れるようになったりするなど、この作品ならではのユニークなギミックがおもしろく、プレイしていてとても楽しかったです。
キャラクターやオブジェクトがガラスに映る描写のグラフィッククオリティの高さや、地面の材質で足音が変化するというサウンドの丁寧さなど、作り手のこだわりが伝わってきました。
キャラクターも、無機質なランプなのに、キコキコ歩いたり瞬きしたりするのでとてもかわいく感じられて、何度もプレイしたくなってしまいました。
どの部分をとっても、完成度が高い作品だと思います。受賞、本当におめでとうございます!
バンダイナムコエンターテインメント 上田 彩乃
屋敷に迷い込んだランタンのようなキャラクターを出口に導くアクションパズルゲーム。
明るい部屋の中から、暗い窓の外を見た時、部屋の中がガラスに「映る」現象から発想。ガラスを挟んだ手前が明るく奥が暗いと、手前にあるものがガラスに映る。ランタンやろうそくやの灯りを上手く利用し、手前の箱をガラスの奥に映しだし、実体化することで、出口に向かう新たな道を作り出します。
時にはガラスの奥を照らして、箱の映りこみを消すことで、先に進めることも。ガラスに映る仕組みを利用して様々な仕掛けを解きながら先を目指します。
コンセプト、技術力、グラフィック、サウンドなどが高いレベルで作りこまれた完成度の高い作品です。
この度、日本ゲーム大賞アマチュア部門、優秀賞・大賞を頂けた事を心より嬉しく思います。
今回の「うつす」というテーマに対して私達はガラスにモノを写すというアプローチでゲームを制作致しました。日本ゲーム大賞に応募する作品の全てが、様々な「うつす」を使ってゲームを制作するので、単純なうつし方をするゲームは多くの作品に埋もれてしまいます。その為、私達は明暗によって「透過」と「反射」の2つの性質に変わるガラスを使った特殊なうつし方をする新しいゲームを考えました。
「Glalear」を制作するにあたって一番苦労した点は、ガラスの表現です。
「Glalear」はガラスが「うつす」というテーマを表現する核となっている為、ガラスの表現にはゲームに命を吹き込むという意味を込めて一番注力致しました。
現実にある様なリアルなガラスではありませんが、ゲーム内で見たときにプレイヤーがガラスにうつっていると思える描画を実現するまでに多くの試行錯誤がありました。
4ヶ月という制作期間ではありましたが、日本ゲーム大賞という大きな一つの目標を目指して、ともにゲームを制作したメンバーと名誉ある賞を受賞できた事心から嬉しく思います。