日本ゲーム大賞2009「アマチュア部門」では去る3月16日から6月30日まで法人、団体、個人にかかわらず、アマチュアの方が制作されたオリジナルで市販されていない作品を募集致しました。その後、日本ゲーム大賞選考委員会による最終審査を経て、各賞を決定いたしました。

「アマチュア部門」受賞作品一覧



佳作

応募総数237作品より5作品が佳作として選出され、各受賞者にはトロフィーが贈呈されました。



OH!ナラでGO!
/ デジタルエンタテイメントアカデミー よっ!じょーし!project

司会者 :

それではここで長田さんより、選考理由を伺いたいと思います。

長田氏 :

Wii対応の作品は非常に少なかったんですけれど、その中では断トツのクオリティでバランスWiiボードとWiiリモコンの特性を上手く活かして非常に完成度の高いゲームに仕上がっているなと。このまま商品として出しても全然遜色の無いクオリティだな思っておりまして、そこが皆様に評価されたと思います。

司会者 :

バランスWiiボードを使った作品にしようというのは、制作チームの皆さんの中では決まっていらっしゃったんですか?
受賞者 : 最初からバランスWiiボードを使って何か面白いことをやろうと思ってました。

長田氏 :

やはりWii対応の応募作品が少ないのは作るのが難しいということなので、そこにチャレンジしたのは非常にいいことだなーと思います。

司会者 :

そこにチャレンジされたことが素晴らしいということですね。それでは受賞されました制作者の方に感想を伺ってみたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : 皆様ありがとうございます。正直言いますと大賞を狙ってきただけにちょっと悔しいところがあるんですけども。やはりこのような機会をいただきまして本当にうれしく思ってます。ありがとうございました。

制作チーム名
よっ!じょーし!project

●プレゼンター(審査員)

株式会社 エンターブレイン
週刊ファミ通編集部 編集長
ファミ通DX編集部 編集長 長田 英樹 氏

●選考理由

Wiiリモコンではなくバランスボードを使うという、非常に意欲的な作品。ゲーム性に関しては、これといった目新しい要素があるわけではないが、ふつうのコントローラーではなくバランスボードを使った作品に仕上げた点は評価に値する。
 
グラフィックやキャラクターデザインは、アマチュアとは思えないほどのレベル。キャラクターごとに能力を変えているのは、レースゲームとしては重要な点だけに好感が持てる。ステージ構成やチュートリアルもしっかりしており、作品としての完成度が高い。


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GENETOS / 木更津工業高等専門学校 小山 達矢

司会者 :

それでは大村さんから選考理由をお聞かせ下さい、お願いいたします。

大村氏 :

ゲームのアイデア自体が非常に面白いと思ったんですけれども、グラフィック、サウンドが非常に良く出来ていまして、作っている作者の方がどうやったらお客さんを楽しませることが出来るか、そういうツボを押さえて良く考えて作られているということが感じられて非常に高評価でした。

司会者 :

クリアした後に次のステージが見たくなるっていう感じのゲームですよね。

大村氏 :

そうですね。ちょっと作者の方にお聞きたしたいところは、ステージの各ボス戦の途中で上手くパワーアップするというか、あえてそのようなタイミングでジェネレ-ションシフトが起きるような調整をされたのかなと。その辺非常に演出が上手いと思ったんですけどもあれは狙っていましたか?
受賞者 : そうですね。あれは完全にそれを狙っていて、強いのが出てきてやばいなってなった時に強くなってやり返すていうのを狙ってやりました。

大村氏 :

とても気持ち良かったです。

司会者 :

素晴らしいですね。では受賞者の方に感想を伺っていきたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : こんなに大々的に表彰してもらって非常にうれしいです。正直、優秀賞ぐらい取れたらいいなと思ってきたので、ちょっと悔しいところはありますけども。ありがとうございます。

小山 達矢氏

●プレゼンター(審査員)

ソフトバンククリエイティブ株式会社
エンタテインメント事業室 室長 大村 耕史 氏

●選考理由

選考後の待ち時間にもプレイしていたくらい、楽しませてもらいました。
 
ステージが進むごとに、また自機がパワーアップするごとに、シューティングゲームの歴史を体験できるアイデアが秀逸で、シューティングゲームへの愛が感じられました。ボス戦中にパワーアップしたときの爽快感がたまりません。グラフィックと音楽もよくできており、ステージ演出にも工夫が凝らされています。シューティング好きの方には、ぜひ最後までプレイしてもらいたい作品です。
 
カッコイイ、気持ちいい、そんなプレイヤーを楽しませる「ツボ」がしっかり考えられている点と、それを実現した構成力・技術力。以上を高く評価しました。


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Flare in the Incubus / ECCコンピュータ専門学校 O-Rocks.labo

司会者 :

それではこれより、倉西さんより選考理由をお聞きしたいと思います。お願いいたします。

倉西氏 :

今、VTRを見ていただいたとおりですね。グラフィック的なアイデアがすごくあるんじゃないかと。ゲームの方はカードを使ったという点でのアイデアはあるんですが、僕が注目したのはわりとグラフィック的な部分で、PS3ですとか、あるいはXbox360とか、そういったマシンで見たかったなという気持ちがちょっとあります。皆さんは、まだ学生さんなんでそんなに深いところまで突っ込めているわけではないかも知れませんが、このセンスはちょっと伸びると面白いんじゃないかなと感じました。

司会者 :

目で見て楽しい魔法エフェクトがふんだんに使われていますよね。

倉西氏 :

楽しいというか。グラフィックを考えた人は誰ですか?皆で?何かね君たち、ちょっと面白い。ちょっと普通じゃないところがあるような気がするんですよ。この例えが違うかもしれないけど、じゅうたんの出方とかそういう細かいところが微妙に面白かったので印象に残りました。ただ、少し厳しいこと言わせていただくと、つかみのアイデアがもう少し強ければ良かったなと。カードを使うだけではなくて、何かもうちょっとカードプラスみたいなところがあるともっと良いと思います。雑誌のページをとろうと思った時に、1ページで終わってしまうんですよ。もう少し何かあれば、2ページとれたかもしれない。そんな感じがしました。

司会者 :

やはりグラフィック的に普通じゃないっていうのは、ほめ言葉だと思うんですけれど。普通の感覚じゃないものが出てくるというのは。

倉西氏 :

両方ですよね。ほめ言葉でもあるし悪いことかもしれないけど何かを持っているというのはいいんじゃないんですかね。

司会者 :

では今の率直な感想を伺ってみたいと思います。お気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : うれしいですけどやっぱり優秀賞以上は欲しかったです。今後頑張って、また優秀賞以上とれるようにしていこうと思います。ありがとうございます。


制作チーム名
O-Rocks.labo

●プレゼンター(審査員)

株式会社 アスキーメディアワークス
主席 倉西 誠一 氏

●選考理由

正直な感想としては、このゲーム、PS3やXbox360といった、グラフィック性能の高い次世代機でプレイしてみたかったです。
 
ゲームとして狙っているところは、わりと素直と言いますか、逆に言えば新鮮味には欠ける気もしましたが、かなり大規模なゲームをここまでイメージできているということには驚きました。
 
カードを選び、使うという部分に、もう1つか2つ、なるほどという仕様が盛りこまれていれば、製品として通用するかも?という気もします。


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Painting Wear / 新潟高度情報処理技術学院 酒井 優

司会者 :

それではここで中島さんから選考理由をお聞きしたいと思います。お願いいたします。

中島氏 :

ステルスゲームというジャンルがありますけども、もともとステルスゲームというのは敵基地に敵に見つからないように潜入して、そのハラハラドキドキ感ですとか、その作戦性が面白さの肝になるんですけれども、この作品の企画書を見た時に、主人公が透明人間だと、敵に見つかんないじゃないですか。どういう作品なのかなと思ったけど、プレイさせていただいて納得いたしました。潜入していくと白いプールがあるんですね、その白いペンキに触れて可視化しちゃうと見つかりやすくなると。ところがあるところに行くと水のプールがあって水に触ったとこだけが、また透明になると。そもそもですね敵基地にこんな都合の良い設定があるわけがないんですけれども、そこが非常にゲームっぽくて面白い。ハラハラとドキドキ感も十分あるし、独特のグラフィック、サイバー感あふれるグラフィックが納得させてしまう。そういうところがすごくセンスがあるなと思いました。本当に斬新な発想とゲームの可能性、それを認めまして選出をさせていただきました。おめでとうございます。
受賞者 : ありがとうございます。

司会者 :

制作者の方にお聞きしたいんですけど、透明人間が主人公という奇抜なアイデアはどういうところで思いつかれたんですか?
受賞者 : 何か良いゲームはないかなって考えてる時にふと。思いつきで。

司会者 :

中島さん、透明人間が主人公なのに敵のアジトに侵入していくってのがまた不思議ですよね。

中島氏 :

特にペンキがどこについているかで、アクションの色々なトラップの作戦性に影響する所が。そこら辺のアイデアが素晴らしいと思いました。

司会者 :

設定からキャラクターから奇抜で。目で見てグラフィックでも惹かれるものがありますし、フラットな人間の形にしたというのには、こだわりがあったんですか?
受賞者 : そうですね。もともと僕がプログラマーでグラフィックが全然出来なかったんで、それを友人に頼んだんですけど時間が結構ギリギリになっちゃって、じゃあこんな風に簡素にすれば良く見えるんじゃないかなと思って。

司会者 :

逆に簡素にしたことによって、ヴィジュアル的にも面白いものになりましたよね?中島さん。

中島氏 :

素晴らしいですね。そういう制限が面白さを生むんですよ、意外とね。何でも潤沢に使えば良いってわけではなくて、その辺の精神がとても好感を持てると思いました。

司会者 :

では、率直な感想を伺っていきたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : まさかこんなところに登れるなんて思ってもいなかったので、とてもうれしいです。けれど、やはり他の佳作の皆さんが言われているように、ちょっと悔しい気持ちが大きいですね。また来年これたらと思ってます。

受賞者(右から)
酒井 優 氏
渡辺 真利 氏

●プレゼンター(審査員)

株式会社 バンダイナムコゲームス
コンテンツ制作本部 第4企画ユニット
ゼネラルマネージャー 中島 信貴 氏

●選考理由

ステルスゲームというジャンルでは、敵基地に潜入して敵や監視カメラに見つからないように進む過程での、ハラハラドキドキ感と作戦性が面白さのキモになります。
 
この作品も、まさに潜入ものなのですが、主人公が透明人間だと。透明人間なら敵から見えないので隠れる必要がない。それでゲームになるのか?と疑問に思ったわけですが、プレイしてみて納得しました。
 
透明人間だが白ペンキプールにはまるとその部分が可視化され、発見されやすくなる。そして水プールに入れば水に触れた部分だけ洗い流され透明に戻る。
 
考えてみれば、そんなご都合主義な敵基地があるはずもないのだが、そこは、主人公が透明人間であるという設定と、サイバー感漂うグラフィックによって受け入れさせてしまう。こんな架空の世界なのにハラハラさせてくれるし、透明人間のペンキ汚染の「度合い」や「部位」がトラップの突破などアクションに影響を与えるところにゲームらしい作戦性がある。
 
アマチュアらしい自由な発想で可能性を感じさせる作品ということで選出させていただきました。


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ホシポチャ / 尚美学園大学 LE KHANH HUY

司会者 :

それではここで、時田さんより選考理由をお聞きしたいと思います。お願いいたします。

時田氏 :

皆さん、画面を見て一目瞭然のように技術力とアーティスッティクな部分が融合して、ものすごく独特の世界感を持ったゲームでした。僕は、効果音とかも含めてその世界観に圧倒された感じですね。難を言うとゲームシステムとしてはまだまだ詰めが甘い部分があるんですけれど、それを補って余りあるくらいに見た目の雰囲気というのが、技術的にも非常に良く表現されていました。また、全部一人で作られたということに僕は可能性を感じました。

司会者 :

独特の世界観というお話しでしたけど。これはどういう時にこの設定、ゲームを思いつかれたのですか?
受賞者 : 自分はいつも落書きをしたりしていますので、落書きでこういうゲームがあれば面白いかなと思ってこのゲームを作りました。

司会者 :

システム的にはこのようなゲームが無いわけではないですけれど、何よりもこういうゲームがあったら面白いなということで、システムに関係なく、まずはゲームを作っちゃったというのがすごいですよね?時田さん。

時田氏 :

このゲームをまとめるのに非常に苦労しているなというのはすごく感じるんですけど、それを一人でやってしまえるパワーというのは非常に力強い可能性を感じます。

司会者 :

お一人で作られたんですよね。では、受賞された今の感想を伺いたいと思います。
受賞者 : うれしいんですがちょっと残念でしたね。また来年も良いアイデアを出し、良い作品を作っていきたいと思います。ありがとうございました。

LE KHANH HUY 氏

●プレゼンター(審査員)

株式会社 スクウェア・エニックス
プロデューサー統括部 シニア・プロデューサー
時田 貴司 氏

●選考理由

個人的には、一番印象に残った作品です。ルールがわかりにくい、ゲームとしてまとまっていないなど、いくつか致命的な部分もあるのですが、それを補ってあまりある唯一無二のムードを持った作品だと思います。
 
ネオンや花火を連想させる幻想的な芸術性。そして、自在に囲むというインターフェイス。まるでクレヨンで夜空に絵を描いている気持ちにさせてくれる画面の生かし方。これらをみごとに具現化している技術力。しかも制作は一人で行ったとのことで、非常に感心させられました。
 
次回は是非、テイストの良さを生かしつつ、わかりやすい遊び心地まで最後の調整に挑戦してください!


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優秀賞

優秀賞には5つの作品が選出され、各受賞者にはトロフィー及び副賞が贈呈されました



I’m Qbe / HAL大阪 吉川 達也

司会者 :

それでは、長田さんから選考理由を伺いたいと思います。お願いいたします。

長田氏 :

非常にシンプルなルールで誰もが初めて見て操作して、特に説明もなく出来るという間口の広さが、やっぱり今の色々な人がゲームをやる世の中にあっているのかなと。後はグラフィックで、非常に少ない画面スペースの中でゲームが展開され、非常に工夫されており、見た目にも楽めるように作られています。また、色々なモードというか画面の構成が非常に良かったのですが、それを一人で作り上げたのはすごいなと思いました。

司会者 :

何よりもライトユーザーの皆さんとかでもパッと見て触ってみたくなる感じはあるなって思うんですね。そうしたデザイン的なことにもこだわられました?
受賞者 : そうですね。ちょっと母親の話なんですけども、私でも遊べる簡単なゲームを作ってくれと頼まれたというのもありまして、そこからどんな年齢の方でも楽しめるゲームを!ということで作らせていただきました。

司会者 :

お母様にもプレイしていただいたんですか?
受賞者 : これなら楽しみながらできるという言葉をもらいました。

司会者 :

一番の褒め言葉ですよね。それでは受賞された感想を聞かせていただきたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : このような素敵な場に推し上げてくれた先生方、遊んでくれた友達や手伝ってくれた関係者に本当に感謝の言葉が言いたいなと思います。ありがとうございました。

吉川 達也 氏

●プレゼンター(審査員)

株式会社 エンターブレイン
週刊ファミ通編集部 編集長
ファミ通DX編集部 編集長 長田 英樹 氏

●選考理由

キューブを転がしながらゴールを目指すアイデアはオーソドックス。だが、移動途中に特定のアイテムを踏むことで、踏んだ面に顔がつくというアイデアをしっかり活用していて、お手軽ではあるが、適度なやり応えのパズルゲームに仕上がっている。
 
具体的には、顔になった面で特定のアイテムを再び踏むとゲームオーバーになってしまうため、考えてキューブを転がす必要があり、敵キャラクターの存在もパズル要素の向上に貢献。ステージの構成も練られている。カラフルな色遣いもよく、全体のゲームデザインにしっかり気を配っている点も好印象。
 
際立った特徴には欠けるが、及第点以上のまとまり具合と感じた。


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iDEARTh / デジタルエンタテインメントアカデミー デアの斜塔

司会者 :

ではここで狩野さんより選考理由を伺いたいと思います。お願いいたします。

狩野氏 :

このタイトルはプロでも開発が難しいといわれるPS3でしっかり作ってくれたなと。そのチャレンジする気持ちと、後は結構完成度が高いのでここまでよく結果を出してきてくれたところを評価します。ゲーム内に地面を隆起させる要素があるんですが、そこもちゃんとゲームの中に生かした技術的な面とヴィジュアル的な面とを含めて総合力の高さが見られましたので、その辺を評価しました。

司会者 :

制作者の方にお聞きしたいのですが、PS3を選ばれたのにはこだわりがあったのでしょうか?
受賞者 : 次世代機ということで自分たちが表現したいことが全部表現できるということで選びました。

司会者 :

自分が表現したい世界を表現しようと思ったらPS3じゃないと出来ないと思われた。地面が隆起するっていうアイデアもすごいですよね?
受賞者 : はい、ありがとうございます。

司会者 :

それでは受賞された感想を伺ったいきたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : このような賞をいただいてとても光栄に思います。これを励みにこれからも面白いゲームを作っていきたいと思います。ありがとうございました。


制作チーム名
デアの斜塔

●プレゼンター(審査員)

株式会社 コーエー
ソフトウェア事業部 ソフトウェア2部 マネージャー
狩野 直士 氏

●選考理由

まず最初に、この作品が「PlayStation3」で製作され、完成度も非常に高いことを評価します。プロでも開発に苦労するプラットフォームに、よくチャレンジし、よくここまで作った、と言うのが正直な感想です。特にプログラミング、ビジュアルのレベルの高さには驚かされました。
 
また、技術的な面ばかりがどうしても目立ってしまいますが、このゲームのシステム面も評価できます。
 
地面を『盛り上げる』というアイデアを、戦闘中は攻撃や防御、移動中は中継地点などで使用することにより、見事に『ゲーム』として仕上げられています。しっかりとアイデアを面白さに繋げています。各所にレベルの高さが感じられ、ゲーム自身もそうですが、開発者自身の将来性も期待できる作品でした。


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しゃぼんDEポン /日本工学院専門学校 Minority

司会者 :

それでは山岡さんより選考理由をお願いいたします。

山岡氏 :

このゲームはDSのハードウェア特性を活かして、DSに息を吹きかけて遊ぶというゲームなんですけれど、最初にふっと息を吹きかけてみて、何だ?このゲームはと思ったんです。しかし、実はやっていくうちにフルボイスとか、ただ吹きかけるだけじゃなくて音楽ゲームの要素が入れたりしていて、何度でもやっちゃうっていう遊びの感覚がすごく感じられました。これは我々でもゲームを作る時にすごく大事にしているところで、飽きさせないっていうのもそうなんですけれど、何度でも遊べちゃう面白さがこのゲームでもすごく感じられたことが、評価に値すると思ってます。

司会者 :

飽きさせないDSならではの遊び方がふんだんに使われてるということですが、最初からDSで作ろうと思われたのですか?
受賞者 : そうですね。DSしか見えてなかったぐらいです。

司会者 :

DSしか見えてなかった?DSでやろうという時には何も揉めませんでしたか?
受賞者 : DSでやるって決めて集まったメンバーなので。

司会者 :

そうだったんですね。飽きさせない色々なエフェクトがありますけど、どこに一番こだわりました?
受賞者 : やっぱり何度でも遊べるようなゲームバランスですね。

司会者 :

なるほど。それでは今の感想を伺っていきたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : ありごとうございます!


制作チーム名
Minority

●プレゼンター(審査員)

株式会社コナミデジタルエンタテインメント
第一ゲームソフトコンテンツプロダクション
山岡 晃 氏

●選考理由

DSハードウェアの機能を違和感なく使った遊びに大満足です。ゲームフローも整えられており、スタートからエンディングまで世界観に浸ることができました。
 
作り手の発想を遊ぶ側に強いるのではなく、遊ぶ側の立場にたって企画を考えている点も評価したいと思います。
 
これからも、斬新な遊びを世の中に出してくれることを期待しています。


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沈黙の磁石 / 新潟コンピュータ専門学校 Ms.ドリコ

司会者 :

それではここで馬場さんより選考理由をお願いいたします。

馬場氏 :

このゲームは映像を見られた皆さんはお分かりになると思いますけれど、最初私も触った時に、えっ?何で今こういう2Dの横スクロールのゲームなの?って正直思いました。ただ、プレイした時に感じたのは、何とも言えない浮遊感、ふわっとした感じ。これが一番おそらくこだわってやっておられるところじゃないかと思います。それを活かすための物理計算なんかも素晴らしいと思います。でも、それ以上にレベルデザイン、高差の設定が非常に秀逸で、そこのセンスを将来に向けて評価したというところが一番です。逆に、もっとデザインにもこだわった方が良いのでは?いうところもありますし、音とか諸々含めてゲームは、やっぱりトータルで楽しませるものです。こだわりがあるところはすごく感じとれたので、更にそのあたりをプラスして、将来、伸ばしてもらえたら良いなと思いました。

司会者 :

独特のふわっと感って言うのが魅力という評価がありましたが、このふわっと感には、皆さんこだわられましたか?
受賞者 : とりあえず磁石がテーマだったので、よりリアルに近づけたかった。そういうこだわりがありました。

司会者 :

直感的な気持ち良さって言うのはゲームの大事なとこだと思うんですけど、馬場さん、いかがでしょうか?

馬場氏 :

磁石っていうのは、よくあるギミックだと思います。それをこういう形で加工して、先程、別の受賞者の方がおっしゃっていましたけど、お母さんでも遊べるようなゲーム、つまりパズルみたいなカジュアルゲームの要素を持っていることは、とても大切なことだと思うんです。このゲームはそういった点が工夫されているし、こだわっているのが伝わったっていうことですね。

司会者 :

それでは今の感想を伺ってみたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : 本当にこんな賞をいただけてありがとうございます。この壇上に上がることが目標の一つだったんでそれが達成できてうれしいです。本当にありがとうございました。


制作チーム名
Ms.ドリコ

●プレゼンター(審査員)

株式会社 セガ
第一CS研究開発部 プロデューサー
馬場 保仁 氏

●選考理由

N極とS極という磁石の特性を使ったゲーム、パズルというのは、必ずしも目新しい手法ではないと思います。しかし、実際にプレイをしてみるとわかるのですが、
 
・ふわっと浮く感じを体感できる
・頭を使い、或る意味、マネジメントしないとルートと操作を導き出せないところ
・頭ではわかっていても、操作(特にタイミング)ができるようにスキルアップしないといけないところ
 
など、「ありがちなものを、直感的な気持ちよさと、ゲームデザインによる奥深さで楽しく料理している」というところが素晴らしいと思います。この特徴を言い表そうといろいろ考えました。強いて言うならば、システムの勝利ではなく「洗練されたレヴェルデザイン」の勝利かもしれません。とにかく、MAPの形状、磁石の配置が素晴らしいので、浮遊感を感じるだけのスペースが生まれ、スピード感を感じることができるようになっているのだと思います。
 
もちろん、この先の課題も多いと思います。「さわってみたら面白いゲーム」と「さわってみたいと思う面白そうなゲーム」の間には大きな河が横たわっています。システムやレヴェルデザイン面では、堪能できるわけですから、インタフェースやグラフィック面にも気を使い、「パッと見で、さわってみたいな」と思わせる演出や絵作りにも気を配っていただけると更にプロフェッショナルへ一歩近づくのではないかと思います。(ただし、決して3Dにしましょうとか、ムービーいれましょう、ということではありません。アナクロ的なノスタルジーを感じさせる2Dデザインだからこそ活きてくるものもあり、このゲームはそのあたりは守った上で、どこをトガッた特徴のあるヴィジュアルにしていくか?を考えていかないと、「やってみたい!」と思ってもらえるだけの、目にとまるものになりづらい、ということです)
 
このたびは、楽しく、そして未来を感じさせていただける作品をプレイさせていただきありがとうございます。これからのますますの研鑽と努力を期待しております。頑張ってください!


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BAMBOONO /東京工芸大学 タケノコ

司会者 :

それでは、ここで選考理由です。時田さんからお願いいたします。

時田氏 :

非常にシンプルなボタン連打で、二人でバランスをとりながら進むというだけのゲームなんですけれども、グラフィックからゲームバランス、そしてレベルデザインから全てにおいてチームワーク良く作られた作品であるという印象を持ちました。その印象がそのままゲームの出来に直結している感じです。純粋に僕ら審査員も二人で組んでテストプレイをさせてもらったんですけれど、あーだこーだ言いながら、ゲームを純粋に楽しめたっていう所が一番印象に残ったところです。

司会者 :

これは二人プレイ専用ということですけども、どうして二人プレイ専用のゲームを作られたんですか?
受賞者 : このゲームは、元々は別チームで作ったものをベースにチームを再編成しまして、リメイクしたゲームなので原案は違う方が考えられたんですけれど、協力をコンセプトということにしておりまして、それで二人プレイが良いねということになりました。

司会者 :

時田さんも皆で声を出しながら、協力しながらプレイしたとおっしゃっておられましたけどれも、やっぱりゲームって一人でやるだけじゃなく、皆でやる楽しさってものもありますものね。

時田氏 :

DSとかPSPの対戦型のゲームですとか、Wiiで本当に人が集まった時に、わいわい遊ぶゲームというのは、極端な話ゲームシステムに頼らなくても工夫すると色々な可能性があると思うんですね。そこは正にゲームの原点だと思いますので、そこをあえてシンプルなボタン連打でやったっていうのが、逆にシンプルだけど面白かったところだと思います。

司会者 :

それでは今の感想を伺ってみたいと思います。今のお気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : 常に時間との戦いですごく大変でしたけども、この作品に関わった方々への気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。


制作チーム名
タケノコ

●プレゼンター(審査員)

株式会社 スクウェア・エニックス
プロデューサー統括部 シニア・プロデューサー
時田 貴司 氏

●選考理由

遊び心地、ゲームの難易度まで、トータルでバランス良く作り込まれた印象です。アイディアが面白くても、最後の調整いかんでは、その面白さが伝わらなかったりする作品が多い中で非常に秀逸な仕上がりを見せていたと思います。
 
アイディアもボタン連打というシンプルなものと、協力プレイという二つに焦点を絞ったからこそトータルの仕上がりがきちんとできたのだと思います。
 
実際、僕たちも審査を忘れて、一緒にプレイしている初対面の方たちと声を出し合い、楽しめました。
 
グラフィックやサウンドなども際立って主張はしていないのですがゲーム性とあいまって、バランスの良い世界観を作り出しています。
 
制作したチームみなさんがテストプレイを重ね調整した結果、このバランスの良い質が実現できたのだと思います。このチームとしての楽しいものを作ろう!という姿勢こそゲーム制作の醍醐味であり、基本でもあると再認識させていただきました。


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大賞

応募総数237作品より大賞が選出され、受賞者にはトロフィー及び副賞が贈呈されました。



BAMBOONO /東京工芸大学 タケノコ

司会者 :

それでは、ここで大賞に選ばれたその選考理由を時田さんからお願いいたします。

時田氏 :

今回も本当に、もうプロと見紛うほどの技術力と個性、そしてアイデアの詰まった作品が多数ありましたが、このBAMBOONOという作品は、本当にチーム力、皆で力を合わせた結果、完成度の高い非常に面白いゲームが出来たということの良いお手本になっていると思います。人数が多いと多分、喧嘩をしたり揉めたりもしたんだと思うんですけれど、僕らもそうなんですけれどその分そこを乗り越えた時に、このゲームの面白さは何だろう?って皆が一つのベクトルをしっかり掴めた時には、すごく面白いゲーム、誰が遊んでも楽しいゲームっていうのが出来ると思います。それを皆さんが実感できたってことは、これからプロになっても色々な人と良いゲームが作れるんじゃないかなと可能性を感じました。

司会者 :

それでは受賞された皆さんに感想を伺っていきたいと思います。大賞を受賞された今の気持ちをお聞かせ下さい。
受賞者 : 本当に評価をいただいたようにチームワークを一番にして頑張ってきたので本当にうれしいです。このチームで良かったです。ありがとうございました。


制作チーム名
タケノコ

●プレゼンター(審査員)

株式会社 スクウェア・エニックス
プロデューサー統括部 シニア・プロデューサー
時田 貴司 氏

●選考理由

遊び心地、ゲームの難易度まで、トータルでバランス良く作り込まれた印象です。アイディアが面白くても、最後の調整いかんでは、その面白さが伝わらなかったりする作品が多い中で非常に秀逸な仕上がりを見せていたと思います。
 
アイディアもボタン連打というシンプルなものと、協力プレイという二つに焦点を絞ったからこそトータルの仕上がりがきちんとできたのだと思います。
 
実際、僕たちも審査を忘れて、一緒にプレイしている初対面の方たちと声を出し合い、楽しめました。
 
グラフィックやサウンドなども際立って主張はしていないのですがゲーム性とあいまって、バランスの良い世界観を作り出しています。
 
制作したチームみなさんがテストプレイを重ね調整した結果、このバランスの良い質が実現できたのだと思います。このチームとしての楽しいものを作ろう!という姿勢こそゲーム制作の醍醐味であり、基本でもあると再認識させていただきました。


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