日本ゲーム大賞2009「アマチュア部門」では去る3月16日から6月30日まで法人、団体、個人にかかわらず、アマチュアの方が制作されたオリジナルで市販されていない作品を募集致しました。その後、日本ゲーム大賞選考委員会による最終審査を経て、各賞を決定いたしました。
「アマチュア部門」受賞作品一覧
|
|
応募総数237作品より5作品が佳作として選出され、各受賞者にはトロフィーが贈呈されました。
|
|
OH!ナラでGO!
/ デジタルエンタテイメントアカデミー よっ!じょーし!project
|
制作チーム名
よっ!じょーし!project |
●プレゼンター(審査員)
株式会社 エンターブレイン
週刊ファミ通編集部 編集長
ファミ通DX編集部 編集長 長田 英樹 氏
|
|
●選考理由
Wiiリモコンではなくバランスボードを使うという、非常に意欲的な作品。ゲーム性に関しては、これといった目新しい要素があるわけではないが、ふつうのコントローラーではなくバランスボードを使った作品に仕上げた点は評価に値する。
グラフィックやキャラクターデザインは、アマチュアとは思えないほどのレベル。キャラクターごとに能力を変えているのは、レースゲームとしては重要な点だけに好感が持てる。ステージ構成やチュートリアルもしっかりしており、作品としての完成度が高い。
GENETOS / 木更津工業高等専門学校 小山 達矢
|
小山 達矢氏 |
●プレゼンター(審査員)
ソフトバンククリエイティブ株式会社
エンタテインメント事業室 室長 大村 耕史 氏
|
|
●選考理由
選考後の待ち時間にもプレイしていたくらい、楽しませてもらいました。
ステージが進むごとに、また自機がパワーアップするごとに、シューティングゲームの歴史を体験できるアイデアが秀逸で、シューティングゲームへの愛が感じられました。ボス戦中にパワーアップしたときの爽快感がたまりません。グラフィックと音楽もよくできており、ステージ演出にも工夫が凝らされています。シューティング好きの方には、ぜひ最後までプレイしてもらいたい作品です。
カッコイイ、気持ちいい、そんなプレイヤーを楽しませる「ツボ」がしっかり考えられている点と、それを実現した構成力・技術力。以上を高く評価しました。
Flare in the Incubus / ECCコンピュータ専門学校 O-Rocks.labo
|
制作チーム名
O-Rocks.labo |
●プレゼンター(審査員)
株式会社 アスキーメディアワークス
主席 倉西 誠一 氏
|
|
●選考理由
正直な感想としては、このゲーム、PS3やXbox360といった、グラフィック性能の高い次世代機でプレイしてみたかったです。
ゲームとして狙っているところは、わりと素直と言いますか、逆に言えば新鮮味には欠ける気もしましたが、かなり大規模なゲームをここまでイメージできているということには驚きました。
カードを選び、使うという部分に、もう1つか2つ、なるほどという仕様が盛りこまれていれば、製品として通用するかも?という気もします。
Painting Wear / 新潟高度情報処理技術学院 酒井 優
|
受賞者(右から)
酒井 優 氏
渡辺 真利 氏 |
●プレゼンター(審査員)
株式会社 バンダイナムコゲームス
コンテンツ制作本部 第4企画ユニット
ゼネラルマネージャー 中島 信貴 氏
|
|
●選考理由
ステルスゲームというジャンルでは、敵基地に潜入して敵や監視カメラに見つからないように進む過程での、ハラハラドキドキ感と作戦性が面白さのキモになります。
この作品も、まさに潜入ものなのですが、主人公が透明人間だと。透明人間なら敵から見えないので隠れる必要がない。それでゲームになるのか?と疑問に思ったわけですが、プレイしてみて納得しました。
透明人間だが白ペンキプールにはまるとその部分が可視化され、発見されやすくなる。そして水プールに入れば水に触れた部分だけ洗い流され透明に戻る。
考えてみれば、そんなご都合主義な敵基地があるはずもないのだが、そこは、主人公が透明人間であるという設定と、サイバー感漂うグラフィックによって受け入れさせてしまう。こんな架空の世界なのにハラハラさせてくれるし、透明人間のペンキ汚染の「度合い」や「部位」がトラップの突破などアクションに影響を与えるところにゲームらしい作戦性がある。
アマチュアらしい自由な発想で可能性を感じさせる作品ということで選出させていただきました。
ホシポチャ / 尚美学園大学 LE KHANH HUY
|
LE KHANH HUY 氏 |
●プレゼンター(審査員)
株式会社 スクウェア・エニックス
プロデューサー統括部 シニア・プロデューサー
時田 貴司 氏 |
|
●選考理由
個人的には、一番印象に残った作品です。ルールがわかりにくい、ゲームとしてまとまっていないなど、いくつか致命的な部分もあるのですが、それを補ってあまりある唯一無二のムードを持った作品だと思います。
ネオンや花火を連想させる幻想的な芸術性。そして、自在に囲むというインターフェイス。まるでクレヨンで夜空に絵を描いている気持ちにさせてくれる画面の生かし方。これらをみごとに具現化している技術力。しかも制作は一人で行ったとのことで、非常に感心させられました。
次回は是非、テイストの良さを生かしつつ、わかりやすい遊び心地まで最後の調整に挑戦してください!
優秀賞には5つの作品が選出され、各受賞者にはトロフィー及び副賞が贈呈されました
|
|
|
吉川 達也 氏 |
●プレゼンター(審査員)
株式会社 エンターブレイン
週刊ファミ通編集部 編集長
ファミ通DX編集部 編集長 長田 英樹 氏
|
|
●選考理由
キューブを転がしながらゴールを目指すアイデアはオーソドックス。だが、移動途中に特定のアイテムを踏むことで、踏んだ面に顔がつくというアイデアをしっかり活用していて、お手軽ではあるが、適度なやり応えのパズルゲームに仕上がっている。
具体的には、顔になった面で特定のアイテムを再び踏むとゲームオーバーになってしまうため、考えてキューブを転がす必要があり、敵キャラクターの存在もパズル要素の向上に貢献。ステージの構成も練られている。カラフルな色遣いもよく、全体のゲームデザインにしっかり気を配っている点も好印象。
際立った特徴には欠けるが、及第点以上のまとまり具合と感じた。
iDEARTh / デジタルエンタテインメントアカデミー デアの斜塔
|
制作チーム名
デアの斜塔 |
●プレゼンター(審査員)
株式会社 コーエー
ソフトウェア事業部 ソフトウェア2部 マネージャー
狩野 直士 氏
|
|
●選考理由
まず最初に、この作品が「PlayStation3」で製作され、完成度も非常に高いことを評価します。プロでも開発に苦労するプラットフォームに、よくチャレンジし、よくここまで作った、と言うのが正直な感想です。特にプログラミング、ビジュアルのレベルの高さには驚かされました。
また、技術的な面ばかりがどうしても目立ってしまいますが、このゲームのシステム面も評価できます。
地面を『盛り上げる』というアイデアを、戦闘中は攻撃や防御、移動中は中継地点などで使用することにより、見事に『ゲーム』として仕上げられています。しっかりとアイデアを面白さに繋げています。各所にレベルの高さが感じられ、ゲーム自身もそうですが、開発者自身の将来性も期待できる作品でした。
しゃぼんDEポン /日本工学院専門学校 Minority
|
制作チーム名
Minority
|
●プレゼンター(審査員)
株式会社コナミデジタルエンタテインメント
第一ゲームソフトコンテンツプロダクション
山岡 晃 氏
|
|
●選考理由
DSハードウェアの機能を違和感なく使った遊びに大満足です。ゲームフローも整えられており、スタートからエンディングまで世界観に浸ることができました。
作り手の発想を遊ぶ側に強いるのではなく、遊ぶ側の立場にたって企画を考えている点も評価したいと思います。
これからも、斬新な遊びを世の中に出してくれることを期待しています。
沈黙の磁石 / 新潟コンピュータ専門学校 Ms.ドリコ
|
制作チーム名
Ms.ドリコ
|
●プレゼンター(審査員)
株式会社 セガ
第一CS研究開発部 プロデューサー
馬場 保仁 氏
|
|
●選考理由
N極とS極という磁石の特性を使ったゲーム、パズルというのは、必ずしも目新しい手法ではないと思います。しかし、実際にプレイをしてみるとわかるのですが、
・ふわっと浮く感じを体感できる
・頭を使い、或る意味、マネジメントしないとルートと操作を導き出せないところ
・頭ではわかっていても、操作(特にタイミング)ができるようにスキルアップしないといけないところ
など、「ありがちなものを、直感的な気持ちよさと、ゲームデザインによる奥深さで楽しく料理している」というところが素晴らしいと思います。この特徴を言い表そうといろいろ考えました。強いて言うならば、システムの勝利ではなく「洗練されたレヴェルデザイン」の勝利かもしれません。とにかく、MAPの形状、磁石の配置が素晴らしいので、浮遊感を感じるだけのスペースが生まれ、スピード感を感じることができるようになっているのだと思います。
もちろん、この先の課題も多いと思います。「さわってみたら面白いゲーム」と「さわってみたいと思う面白そうなゲーム」の間には大きな河が横たわっています。システムやレヴェルデザイン面では、堪能できるわけですから、インタフェースやグラフィック面にも気を使い、「パッと見で、さわってみたいな」と思わせる演出や絵作りにも気を配っていただけると更にプロフェッショナルへ一歩近づくのではないかと思います。(ただし、決して3Dにしましょうとか、ムービーいれましょう、ということではありません。アナクロ的なノスタルジーを感じさせる2Dデザインだからこそ活きてくるものもあり、このゲームはそのあたりは守った上で、どこをトガッた特徴のあるヴィジュアルにしていくか?を考えていかないと、「やってみたい!」と思ってもらえるだけの、目にとまるものになりづらい、ということです)
このたびは、楽しく、そして未来を感じさせていただける作品をプレイさせていただきありがとうございます。これからのますますの研鑽と努力を期待しております。頑張ってください!
|
制作チーム名
タケノコ
|
●プレゼンター(審査員)
株式会社 スクウェア・エニックス
プロデューサー統括部 シニア・プロデューサー
時田 貴司 氏
|
|
●選考理由
遊び心地、ゲームの難易度まで、トータルでバランス良く作り込まれた印象です。アイディアが面白くても、最後の調整いかんでは、その面白さが伝わらなかったりする作品が多い中で非常に秀逸な仕上がりを見せていたと思います。
アイディアもボタン連打というシンプルなものと、協力プレイという二つに焦点を絞ったからこそトータルの仕上がりがきちんとできたのだと思います。
実際、僕たちも審査を忘れて、一緒にプレイしている初対面の方たちと声を出し合い、楽しめました。
グラフィックやサウンドなども際立って主張はしていないのですがゲーム性とあいまって、バランスの良い世界観を作り出しています。
制作したチームみなさんがテストプレイを重ね調整した結果、このバランスの良い質が実現できたのだと思います。このチームとしての楽しいものを作ろう!という姿勢こそゲーム制作の醍醐味であり、基本でもあると再認識させていただきました。
応募総数237作品より大賞が選出され、受賞者にはトロフィー及び副賞が贈呈されました。
|
|
|
制作チーム名
タケノコ
|
●プレゼンター(審査員)
株式会社 スクウェア・エニックス
プロデューサー統括部 シニア・プロデューサー
時田 貴司 氏
|
|
●選考理由
遊び心地、ゲームの難易度まで、トータルでバランス良く作り込まれた印象です。アイディアが面白くても、最後の調整いかんでは、その面白さが伝わらなかったりする作品が多い中で非常に秀逸な仕上がりを見せていたと思います。
アイディアもボタン連打というシンプルなものと、協力プレイという二つに焦点を絞ったからこそトータルの仕上がりがきちんとできたのだと思います。
実際、僕たちも審査を忘れて、一緒にプレイしている初対面の方たちと声を出し合い、楽しめました。
グラフィックやサウンドなども際立って主張はしていないのですがゲーム性とあいまって、バランスの良い世界観を作り出しています。
制作したチームみなさんがテストプレイを重ね調整した結果、このバランスの良い質が実現できたのだと思います。このチームとしての楽しいものを作ろう!という姿勢こそゲーム制作の醍醐味であり、基本でもあると再認識させていただきました。
司会者 :
長田氏 :
司会者 :
長田氏 :
司会者 :