発表授賞式


 
日本ゲーム大賞2007「アマチュア部門」では去る3月19日から6月30日まで法人、団体、個人にかかわらず、アマチュアの方が制作されたオリジナルで市販されていない作品を募集致しました。
その結果、265作品の応募があり、日本ゲーム大賞選考委員会による最終審査を経て、各賞が決定いたしました。
  

「アマチュア部門」受賞作品一覧

 佳 作
 優秀賞
 大 賞




 


応募総数265作品より5作品が佳作として選出され、各受賞者にはトロフィーが贈呈されました。

 
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すき〜まぁず
奈羅尾 泰治 氏
怪盗HAYABUSA / すき〜まぁず / コンピュータ総合学園 HAL

受賞者: 今日は本当にありがとうございます。チーム7名全員で、大賞を目指して頑張ったんです。途中で7名と人数が多いので、ゴタゴタがあったり険悪なムードになったりもましましたが、完成して、今日この場にこれただけでも、本当にうれしいです。今日は本当にありがとうございました。
司会者: いいコメント。これは、思いついた時に、あ、これはもらったと思いました?
受賞者: 確かにそう思いました。
司会者: この企画性、このアイデアで絶対行けると思いました?
受賞者: 思いました。
司会者: どういうきっかけで思いつかれました?
受賞者: スリープ機能があるということは、その処理をどこかでしてるんだろうと思って、それを活用できたらと思って作ってみました。
司会者: じゃあ、最初からDSというのに絞って考えたわけですね。
受賞者: そうです。
司会者: おめでとうございました。


プレゼンター
(審査員)

株式会社エンターブレイン
週刊ファミ通 編集長 加藤 克明 氏
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選考理由
ニンテンドーDS本体の開閉、およびスリープ機能に着目。それをゲームの根幹の部分の仕組みとして利用するという、ゲームシステムの構築にあたっての斬新なアプローチが高く評価されました。また、ニンテンドーDS本体の開閉をドアの開閉に見立てていることも、ゲーム自体の分かりやすさにつながっており、その点でも優れている作品です。反面、システムにおける斬新なアイディアが十分に生かされていないのでは?という声もありました。しかし、この仕組みを使ってのバージョンアップ版や、制作者の今後にも期待する声が多く寄せられた作品です。


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チームマニアブレンド
小山 尚男 氏
すーぱーあしあし/チームマニアブレンド / デジタルエンタテインメントアカデミー

受賞者: とっても光栄だと思います。今回の賞に関しましては、やっぱりいろいろな皆さまの協力があって、いただいたものだと思っております。「あしあし」に関してなんですけれども、このゲームの一番のコンセプトとしては、電車の中で、いつでもどこでも誰でも楽しめるような、そんなゲームを目指して作りました。本当に、本日はありがとうございます。
司会者: 携帯ゲームという限界があるために、単純さの中にゲーム本来の力強さみたいなものがあって、そういった意味も含めて、携帯電話に焦点を合わせていたんですか?
受賞者: はい。携帯電話というのはボタンがたくさんある。それでいて、使われる方はどうしても片手。そうなると、使えるボタンの数はひとつとかふたつになる。そこで、ふたつのボタンで何ができるかなというチャレンジも、今回の作品には入っております。


プレゼンター
(審査員)

株式会社コナミデジタルエンタテインメント
ゲームコンテンツプロダクション ゲームソフトコンテンツ制作グループ
プロデューサー 五十嵐 孝司 氏
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選考理由
携帯アプリであることを考慮した操作性が優れた作品です。ゲーム機対応の作品は、アクション性の高いものが主流で、プレイヤーの操作に対して、非常に高いレスポンスを実現できるように設計されています。反面、携帯電話は、電話としての機能、持ち運びを最優先に、設計されています。特に、ボタンに関しては誤作動しないよう、強めに押せば反応する構造になっており、ゲーム機と携帯アプリのゲームでは、プレイヤーに要求するものを変える必要があります。この作品は、そんな携帯電話の特性を上手く利用したゲームであるといえます。片手で簡単に操作できる点、連打を要求しない点。単純な操作であるからこそ、頭を使ってのアクションというゲーム性。携帯アプリに求められている要素を満たした作品です。


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水出し紅茶
小出 実央 さん
積祈/水出し紅茶 / 新潟コンピュータ専門学校

受賞者: とてもうれしく思っています。これからプロに向けて就職活動を行っていきますが、そのためのよいステップを踏めたと思っています。ありがとうございました。
司会者: どういった点が一番こだわったというか、苦労されましたか?
受賞者: 積んでいくのを楽しくしなくきゃいけないというところで、音とか、そういうエフェクトを表現するのが、すごく悩みました。
司会者: なるほど。僕らはデモ画面しか見ていないから、その積んでいくピアノの音が聞けてない。一番楽しいところは、全部審査員ばっかり。僕ら、全然わからないですよ、そのピアノの音。
受賞者: あとで、ぜひやってください。


プレゼンター
(審査員)

株式会社スクウェア・エニックス
シニアプロデューサー 時田 貴司 氏
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選考理由
ここ数年注目されている物理計算を使ったゲーム。本作品は、その自由度の高さと音響効果を上手く使った点が評価されました。シンプルながら自由度の高いシステムが、その物理計算のリアリティを実感させてくれます。一見すると所謂、固いゲームですが、ブロックを落としたときのピアノのSEがいいムードを醸し出し、そのハラハラ、ドキドキ感を一層盛り上げてくれます。ゲームに関しての演出効果はグラフィックより、音の方が、実はその効果が大きいこともよくありますが、正にこのゲームがそれを実証しています。
 


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中村 吉一 氏
避難 / 中村吉一 / 新潟コンピュータ専門学校

受賞者: ありがとうございました。今回のゲームなんですが、以前、新潟で地震があり、その時に怖い思いをして、その思いをいろいろな方に知っていただきたく、作りました。ただゲームですから、とても楽しく遊べると思いますので、ぜひ一度遊んでみてください。
司会者: 避難という内容なんですけれども、悲惨さがあまりないというのが、いいところですよね。ゲームの中ではヒーローになりたいみたいな、プリミティブな欲求とか快感みたいなものがありますよね。特にこだわった点とかございますか?
受賞者: できるだけ緊迫した状況を作り出しました。


プレゼンター
(審査員)

テクモ株式会社
マルチコンテンツプロダクション
モバイル プロデューサー 天野 幸芳 氏
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選考理由
携帯電話対応ゲームで最も重要となるのは、ルールと操作がシンプルで分かりやすいこと。この作品は、地震に襲われた人を誘導して助けるという単純ルールと、方向キーとワンボタンで遊べるカンタン操作で、この要素を満たしています。また、崩壊するビルから人々を助け出すというヒーロー体験は、プレイヤーに心地良い動機を与えます。泣いてしまって動けなくなる少女や、逃げ足が遅く耳が遠いお婆さんなどのキャラクターはそれぞれの動きが避難口への誘導の仕方に影響を与えるという、ゲームに幅を与える役目を持っていて、プレイヤーの想像力をかき立てます。非日常的ながらリアルなシチュエーションをシンプルにゲームに仕立てた点が評価されました。
 


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Dr.カルガリ
八牧 健太 氏
屋根まで飛んだ/Dr.ガルガリ / デジタルエンタテインメントアカデミー

司会者: 今のお気持ちをお聞かせください。
受賞者: 大変うれしいです。ありがとうございます。今回、この作品、いろいろまだやりたいことも多かったんですが、コンセプトはしっかり生かせたと思うので、大変うれしかったです。
司会者: シャボン玉というアイデアはどこから?
受賞者: 私自身、FPSのようなシューティングゲームが好きなんですが、そこをもっとポップにして、子供とか女性でも遊べるようなものを考えたところで、シャボン玉を撃つというアイデアが出てきました。
司会者: なるほど。シャボン玉がいっぱいで、単純に目で見ていてもかわいくて楽しいですよね。
受賞者: ありがとうございます。


プレゼンター
(審査員)

株式会社エンターブレイン
週刊ファミ通 編集長 加藤 克明 氏
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選考理由
マイクデバイスを使って、息を吹きかけるとシャボン玉が飛び出す、というギミックをゲーム性に取り入れたアイディアが光ります。特に、敵キャラクターのみならず、家など、フィールドにあるオブジェクトにシャボン玉を吹きかけることによって、オブジェクトを浮かび上がらせることができることに、行為としての快感があり、この点では、ゲームとしてのとても重要な要素を持っていると思います。この点を最も評価しました。反面、この魅力的なギミックを十分に生かしきれてきれていないもどかしさもありますが、煮詰め方次第では、もっと高い次元での楽しさを生み出す作品になる可能性を秘めているのではないかと、ゲームとしての可能性に期待する声もありました。




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優秀賞には4つの作品が選出され、各受賞者にはトロフィーが贈呈されました。


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Ginger & Sho
宮廻 裕丸 氏
四面楚歌 / Ginger & sho / アクト情報スポーツ保育専門学校

受賞者: この場に立てることをうれしく思います。このような賞をいただけたのも、先生方のご指導と、何よりも相方の頑張りがあったからだと思います。本当にありがとうございました。
司会者: 一番こだわったというのは、どこなんですか?
受賞者: 引っ張ってはじくというのを重視しました。
司会者: 引っ張り感と飛んでいく感がどれくらいの力加減なのか…。
受賞者: パチンコをイメージして作ってみました。
司会者: プロの審査員が、休憩時間にこのままやりたいなと思ったというのは、すごい賞賛の言葉だと思いますよ。
受賞者: ありがとうございます。
司会者: 誇りにしていいと思います。おめでとうございました。


プレゼンター
(審査員)

株式会社スクウェア・エニックス
シニアプロデューサー 時田 貴司 氏
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選考理由
リアルタイムのパズルゲームとして完成度の高さが評価されました。審査の待ち時間についついPLAYしたくなるとの声が多く聞かれたことが その事実を証明していました。弓を引くようなイメージで構成されたシンプルながら独自の操作性とアイテムの バラエティも魅力的で、更にはステージごとの難易度設定など、ニンテンドーDSで 商品化すると面白い展開が期待できそうとの声もあがった作品です。


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でんぷち
樋口 厚志 氏
TRUE ENSEMBLE / でんぷち / デジタルエンタテインメントアカデミー

受賞者: ありがとうございます。非常にうれしいです。このような賞をいただけたのは、僕がリーダーをやっていますが、僕だけの力ではなくて、先生方や家族の方やチームの皆さんのお陰ですので、本当にありがとうございました。
司会者: とにかくすごいクオリティですが、どこに一番こだわりました?
受賞者: やっぱり、最初に2人のキャラを同時に操作して、その2人が線で結ばれているというのは、最初から設定としてあったんですが、その設定をゲームとして、どう生かすかという部分に非常に苦労がありました。
司会者: 最初にそこから始まって、さあ、どんなゲームを作ろうかだったんですね?
受賞者: そうですね。そこでゲームとして本当に楽しいのかっていうのが、中でいろいろ議論がありまして…。最終的にこのバーチャルゲームにもってくるには、非常に苦労はありました。


プレゼンター
(審査員)

株式会社メディアワークス
電撃プレイステーション
編集長 倉西 誠一 氏
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選考理由
最終選考に残った作品の中で、最も完成度の高い作品でした。そのグラフィックレベルの高さも抜きんでていましたし、両方のアナログスティックを使うという操作も、ある程度の新規性を持ちながらも、チュートリアル的なステージから段階的に難易度が上がっていくことでプレイヤー側の習熟を促すというゲームとしての基本を押さえることで、快適にプレイさせる構成になっています。きちんとプレイヤー側を意識した作りという部分を鑑みても、一番商品に近い=完成された作品だったと言えます。今後も、ただ、「新しい何か」も意識して作品を作っていっていただければと思います。


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でんぷち
大橋 拓也 氏
ぷにっとクラウン / でんぷち / デジタルエンタテインメントアカデミー

受賞者: このような形で、チームのみんなで苦労して作ってきた作品が受賞できて、非常にうれしく思っています。
司会者: 何かヒントみたいなものはあったんですか? その「ぷに」っとした…。
受賞者: そうですね。タッチペンでやれることっていうのは非常に多いんですけれど、結局、それでものをいじったりするのが楽しくて、それが直感的にできてゲームにできれば楽しくなるんじゃないかっていう、いろいろな考えのもとに作りました。
司会者: やっぱり「ぷにっと感」にこだわりました?
受賞者: そうですね。
司会者: 一番こだわった点、難しかった点などは?
受賞者: やっぱり、タッチペンでボールを扱う感覚なんですけれども、最初の段階では今と全然違った操作でやって、すごいストレスがたまったりしてたんですけど、それを改良して何とか今のかたちで直感的に操作できるようにしました。
司会者: 操作が難しすぎず、直感でどれだけ楽しめるか、そのすべてのバランスが上手くまとまっていました。、おめでとうございました。


プレゼンター
(審査員)

ソフトバンククリエイティブ株式会社
ゲーマガ編集部
副編集長  杉浦 誉典 氏
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選考理由
かわいいキャラクターによる生き生きとしたアクションを、軽快かつ直感的な操作で楽しませてくれます。ニンテンドーDSのタッチスクリーンを用いた操作系が直感的。ジャンプ操作が「跳ね上げる」動作ではなく、「押しつぶす」というアイデアが秀逸で、タッチスクリーンを上になぞれば「前進」、下になぞれば「ジャンプ」と明快な操作区分を実現しています。ジャンプ時のタッチ操作は、まさにタイトルにあるとおり『ぷにっと』感覚。ニンテンドーDSのインターフェイスをうまく活用しています。また、ハイスコアアタックとタイムアタックが狙えるコースレイアウトも面白く、遊び手次第でいろいろな楽しみ方ができる点も評価できます。この基本システムを使って得点アイテムの配置やコース分岐を工夫すれば、まだまだゲーム性が広がっていくのではないでしょうか。


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吉田 千春 氏
LEAD BALL / 吉田 千春 / デジタルエンタテインメントアカデミー

受賞者: こんなに大きなステージで、こんなに素晴らしい賞をいただけたことをうれしく思います。今まで支えてくれたいろいろな方々に、本当に感謝したいと思います。ありがとうございます。
司会者: お一人で作られたんですか?
受賞者: そうです。
司会者: 一番こだわった点、難しかった点などはありますか?
受賞者: 今、専門学校ではプログラムを勉強しているんですが、今回、グラフィックも全部自分で用意をしているので、普段慣れていない分、そちらで苦労しました。
司会者: おめでとうございました。


プレゼンター
(審査員)

株式会社バンダイナムコゲームス
執行役員 コンテンツ制作本部 第1制作ディビジョン担当
プロデューサー  中谷 始 氏
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選考理由
パッと見たときには、どこか懐かしさを醸し出すゲームに見えましたが、実際は携帯端末の特性をよく理解しており、非常に堅実なゲームに仕上がっていたのに驚かされました。「色がついたボール」と「バーで仕切られた部屋」だけでシンプルで直感的に理解しやすいゲームルールを構築。また上手くプレイ出来た時には、クリアランク等でより達成感を実感させるところなど、丁寧なゲームデザインと完成度が光ります。さらには、最初のうちは戸惑いながらプレイしつつも、ゲームの仕組みがわかり出すと次のステージ、次のステージとテンポ良く進めていける難易度設定と、繰り返し遊びたくなる中毒性も備わった良い作品です。あえて言うなら、グラフィックにもう一工夫すると、見た目の印象も変わりゲームへプレイヤーを導入する部分がさらに向上したのではないかと思いました。自分の携帯端末にこのゲームが入っていたのなら、電車の中とかで普通に遊んでいるかもしれないなと思わせる、そんなゲームです。




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応募総数265作品より大賞が選出され、受賞者にはトロフィー及び副賞が贈呈されました。
 

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中村 健太(チーム名)
藤井 知晴 氏
バトルクエスト / 中村 健太 / コンピュータ総合学園HAL

司会者: 大賞を受賞された今のお気持ちをお聞かせください。
受賞者: ちょっと信じられないという気持ちが大きいんですけれども、このバトルクエストはとても大きな思い入れがあるゲームなのでうれしいです。
司会者: このアイデアはどこから?
受賞者: どこからともなくと言いますか、おもしろいゲームを考えようということで考えたんですが、チームのメンバーが3Dもできないし、絵も特にうまくない、プログラムもなかなか打てないということで、自分たちのできることを探していくと、こういう形になりました
司会者: なるほど。小さい頃、自由帳にこういうことを書いたりしてなかったんですか?
受賞者: めちゃめちゃしてました。
司会者: まさに、それをゲームに生かしたということですね。どこに一番こだわりました?
受賞者: アイデアは無限に出てきますので、自分たちの技術と時間を加味しながら、その折り合いをつけるのに苦労しました。
司会者: おめでとうございました。


プレゼンター
(審査員)

株式会社コナミデジタルエンタテインメント
ゲームコンテンツプロダクション ゲームソフトコンテンツ制作グループ
プロデューサー 五十嵐 孝司 氏
選考理由
まず、見た瞬間から、「おっ!」と目を惹くインパクトがありました。ゲーム自体はオーソドックスなRPGなのですが、卓越した世界観。そして、それを表現する演出と作りこみ。感動しました。ゲームというとまず遊びのルールと考えがちですが、ゲームというものはトータルエンタティンメントです。ゲームの遊びはもちろん、グラフィック、サウンド、シナリオ。そしてそれをまとめるのが、世界観の構築です。このノートに書かれたという世界観は、とてもユーモラスでデジタルではない温かみを表現しています。また、消しゴムで絵を消したときに、カスが残るといった細部に至るまでの心憎い演出。先の展開がまったく読めない奇想天外なストーリー展開は、想像をかきたて期待感で溢れています。プレイヤーに飽きずにプレイしてもらいたいという、制作者の気持ちがすごく伝わってくる作品です。