審査委員長・養老 孟司先生 講評
実行委員長の辻本でございます。養老選考委員長が都合によりご欠席ではありますが、講評を頂いておりますので、代読させていただきます。
私はゲームが大好きなゲームユーザーの一人でもありますので、年に一度のこの賞をとても楽しみにしています。しかし、昨年に続きこの度も、所用のため「第9回CESA GAME AWARDS 発表授賞式」に出席することができないことを非常に残念に思うと同時に、この場をお借りしましてお詫び申し上げ
ます。
さて、最近、ゲームの及ぼす影響について色々社会でとりあげられている一方で、ゲームを使って脳を鍛えたり、学習したするりソフトが話題になっていたりします。片方では脳に悪いと言い、片方では脳に良いという動きがある非常に面白い現象です。
皆さんは、現実と事実は同じもので、その事実はたった一つしかないと考えています。
あらゆる出来事は、一人一人見ようによっては異なるのに、人は唯一の事実があるはずだと思いたがっています。
しかし、今の世の中は、どこまでが本当でどこまでがウソなのかを自分で考えなければならない、非常にやっかいな世界です。
ところが、ゲームの世界は初めから作り物だということがわかっている。
この世界は本当じゃないと明らかにわかっている世界で、喜んだり、悲しんだり、興奮したりしていることぐらい安心なことはありません。
ゲームは、如何にして非現実的な世界を楽しむかというところに最大の醍醐味があると思います。
100人の人がいれば、その人たちの非日常の楽しみ方も100通りあるわけで、作り手の皆様の様々な思いの詰ったゲームをユーザーそれぞれの楽しみ方、感じ方により、1本のソフトから得られる感動は
2乗にも3乗にも広がります。
多くの人たちに無限の夢や希望を与えることができるというのは、すばらしい事だと思います。
今回、授賞された作品は、人気シリーズの最新作や斬新な試みに満ちた作品、初心者でも楽しめる
ゲームスタイルや、大人から子供まで、だれもが手軽に簡単に楽しめるゲーム等、皆様のエンターテインメントにかける情熱や思いがひしひしと伝わる作品ばかりでした。
また、本日授賞に至らなかったものの力作が多く、大変選考に苦労しました。
今年のゲーム業界は、新しいハードも発表され、ここにお集まりの皆様の新たな挑戦が、これからも、私達に多くの感動と夢を与えてくださることと期待しております。
ゲームファンの1人として、これからの皆様のご活躍、挑戦にエールを送り続けていくともに
「CESA GAME AWARDS」を通して、ゲーム業界が益々発展することを祈念いたしまして、
講評に替えさせていただきます。
本日は、授賞、誠におめでとうございました。
私よりここで少し選考内容等について、ご説明させていただければと思います。
CESA GAME AWARDSは、すばらしいゲームとそれを制作したすばらしいクリエイターの方々を表彰
していきたいという思いで、雑誌編集者やゲームクリエイターの方々など、業界関係者が集まり、
意見を出し合いながら、これまで進めてまいりました。
養老先生のコメントにもありました通り、ゲームには、様々な作品があり、多くの方々に楽しんでいた
だける要素がございます。したがって、その中において限られた受賞作品を選ぶということは、本当に
大変なことであります。
選考委員の方々によって、このゲームは、技術的に優れている、または表現力が高い、更には、より
多くのユーザーに楽しんでいただきたいと考えながら選考しているわけです。
この年末に向けては、本日のGAME AWARDS で表彰された作品をはじめ、その他の優れたゲームが
続々と発売されます。是非、このようなゲ−ムをたくさん遊んでいただきたいと考えております。
また実行委員としまして、今後も業界の発展を願い、すばらしいゲームクリエイターの方々が
表彰されるよう、そして受賞を喜んでいただけるように真剣に考え、引き続き進めてまいりますので
今後ともご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。
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