講評

株式会社KADOKAWA・DWANGO 取締役 浜村 弘一

今年の東京ゲームショウは、一目見て分かる大きな変化が
2つありました。

まず1つめは、ホール数と出展社数が過去最大になりました。
去年までは、 ホール1から9までを使用しての開催でしたが、
今年は新たに、ホール10、11まで大きく広がり、過去最大の
規模で開催されました。

規模が大きく広がったのには理由がございまして、
先ずは、スマートフォンのメーカーが数多く出展されたこと、
そして、海外のソフトハウスが数多く出展されたことによります。

その結果、今回は日本国内からよりも、海外からの出展の方が
多いという逆転の現象が初めて起きました。
これが2つ目の大きな変化です。

ある意味においては、日本のゲーム市場を反映しているとも言えますが、
このような背景を踏まえ、今回のフューチャー部門の審査を行いましたが、
結果、注目に値すべき点が、3つありました。

1点目は、今回はスマートフォンのソフトが数多く得票を得ていた点があげられます。
しかしながら、「フューチャー部門」は未発売作品を対象に選考を行うという規定があり、
受賞には至らなかった作品もありましたが、家庭用ゲーム機と並んで、かなりの得票数を得ていました。
恐らく、来年以降、規定をクリアするスマートフォンの作品が受賞作品に入ってくるのではないかという
期待を持つことができました。

2点目は、あえてタイトルを言いますと、『Star Wars™バトルフロント™』。
この作品は、投票時のユーザーの皆様の評価ポイントを集計した評価点においても
トップランクの評価を得ていました。
ユーザーの皆様は、よくこの作品に投票されたと思います。
非常に完成されているゲームで、グラフィックのクオリティも最高のランクだと私は思います。

日本の市場の場合、海外のソフトは、特にFPSはなかなか選出されません。
そうした中、この作品が東京ゲームショウに出展された数あるトップクラスの作品の中から、
得票数上位で選ばれていることは素晴らしいなと、目の肥えたユーザーの方々が数多くいらっしゃることに
感謝したいと思います。

そして3点目は、受賞された10作品をご覧になってお気づきになったかもしれませんが、
ハイエンドの据え置き型ゲームが7作品もあることです。
日本のゲーム市場の場合、ここ最近は、どちらかというと携帯ゲーム機が主流で、
据え置き型ゲーム機はなかなか元気がないことが多かったのですが、
今回は7作品も受賞作品に選出されており、今後、据え置き型ゲーム機対応の
ハイエンドな作品が人気となり、大きく伸びてくるのではないかという期待が持てるように思えます。

スマートフォン作品は、日本市場で大きな人気を得ており、
一方で据え置き型ゲーム機もビッグタイトルがたくさん発売され、
これから更に据え置き型ゲーム機が大きく普及してくるであろうことは、日本のゲーム市場の未来は、
非常に明るいということを感じさせてくれる結果だったと思います。

投票して下さいましたユーザーの皆様、誠にありがとうございました。