経済産業大臣賞

ゲーム産業の発展に寄与した人物に贈られる経済産業大臣賞は
桜井政博氏に授与されました。


プレゼンター
経済産業省 商務情報政策局 大臣官房審議官(IT戦略担当)
竹内 芳明 様

桜井 政博 氏 コメント



今、ご紹介に与りました通り、私はこの後にご紹介する
ゲームデザイナーズ大賞の審査委員長も務めており、つまり
日本ゲーム大賞の関係者だと言えます。これをもってお手盛りだと
思われるのは私が悲しむのでぜひやめてほしいなと思っております。

実は、これでも真面目なほうで辞退することも考えました。

ですが、まず日本ゲーム大賞で審査委員長を務めているなど
ゲーム制作以外の点も評価されたという点や、私自身が賞を
与えている側になっているにも関わらず、賞をお断りするというのは
考えられない、逆にされたら私はとても悲しむと感じたため
お受けすることにしました。

そして、もう一つ思っていることがあります。

このような個人に与えられる賞は、一つの作品をずっと作り続ける
ディレクターより、少しずつ多くの作品に関わるプロデューサーのほうが
名前が上がりやすいと思います。例えば任天堂の岩田さんのことです。

もしも、岩田さんに今回の経済産業大臣賞を与えるとしたら
今年が最後のチャンスだったはずですが、それはなりませんでした。

その理由としては、それはご本人への確認ができないからではないかと
個人的には思っています。お断りする自由というのはあると思います。
意に反することであれば受けないという選択もできるはずですので。

でも、岩田さんが受賞されなかったというのは、日本ゲーム大賞の
経済産業大臣賞の方針はそういうことなんだと思います。

私はフリーの立場なので、色々な方々と少しずつ接点を持っています。

例えば、私がフリーになって東京にいる時に、もしも岩田さんが
オフィスやスタッフを構えてまで仕事を与えて下さらなかったら、
今日の「スマブラ」は明らかに存在していなかったと思います。

ファミ通コラムなどもそうですが、一人で書いていると思われる
コラムにしろ、自分が原稿を書き終えた後に、多くの方々が色々と
苦労されてようやく本になります。

今回は個人の名前で与えられた賞ですが、そのような関わり合いを
持って下さった様々な方々から、少しずつ力を頂いて、みんなで頂いた
賞だと思って大事にします。どうもありがとうございます。