発表授賞式年間作品部門

日本ゲーム大賞2019「年間作品部門」では、去る4月8日から7月19日までの間、インターネットとはがきによる一般投票を実施いたしました。
その後、日本ゲーム大賞選考委員会による最終審査を経て、各賞を決定いたしました。

ゲームデザイナーズ大賞

この賞は日本を代表する9名のクリエイターの投票により、今後の市場発展における一つの指標となる優れた作品、その可能性を持つ作品に与えられる賞です。受賞者にはトロフィーが贈呈されました。

プレゼンター
ゲームデザイナーズ大賞 審査員長 桜井 政博

審査員長 桜井 政博 ご挨拶

桜井氏

皆様こんにちは。ソラの桜井政博です。
今年で10回目となりましたゲームデザイナーズ大賞を始めさせて頂きます。

ゲームデザイナーズ大賞は、主に独創性をテーマに今回は9人の日本のゲームデザイナー・ディレクターが10点のポイントを各投票作品に割り振って、点数の高かった独創性豊かな作品に賞を与えようというものになります。

年間作品部門は、一般ユーザーの皆様からの投票や、賞によっては売り上げなども参考にしつつ、受賞作品が選考されています。

そうしたなか、ゲーム制作のプロであるクリエイターの視点から、作品の独創性を最も重要な評価基準として選考されるのが、この「ゲームデザイナーズ大賞」になります。

それでは早速、受賞作品を発表させていただきたいと思います。

ゲーム デザイナーズ大賞

ASTRO BOT:RESCUE MISSION

株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

プロデューサー兼ディレクター
Nicolas Doucet 氏

ゲームデザイナー
森田 玄人 氏

ゲームデザイナー
前田 貴子 氏

Nicolas Doucet氏

『ASTRO BOT』のディレクターを務めました、ニコ(Nicolas Doucet)と申します。
まずは、「ゲームデザイナーズ大賞」に『ASTRO BOT』を選んでいただき、誠にありがとうございます。

そして先程、桜井さんに皆様の前でデモプレイをしていただき、大変嬉しく思います。素晴らしいデモプレイでした。ありがとうございます。
この授賞式会場に、SIE JAPAN StudioのASOBI! Teamのメンバーも来ていると思いますが、そのメンバーみんなにも、「本当におめでとう」と言いたいです。

最後に私のことについて少しお話させていただきます。

私はフランス人です。今から約30年前、フランスに住んでいた時、たくさんの日本のゲームをプレイしました。そして、この日本で日本人と一緒にアクションゲームを作ることが、子どものときからの夢でした。

30年後の現在、多くの方々の協力があって、その夢がついに実現しました。協力していただいた方々に改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

森田氏

『ASTRO BOT』のリードゲームデザイナー、森田玄人です。
本当に本当にありがとうございます。今はとにかく嬉しくて、頭の中が真っ白です。

素晴らしいチームのみんなと、そして素晴らしいディレクターと、新しい技術を使って新しい体験を提供するチャンスをもらえたことが本当に嬉しいですし、ほかの開発者の方や、プレイヤーの方々に「すごかった」と言ってもらうことができ、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。

前田氏

ゲームデザイナーの前田です。
私自身もこのチームの一員として、すごく楽しみながらゲームを作ることができました。

このチームは、ゲームデザイナーやディレクターだけがアイデアを出すのではなく、プログラマーやアーティスト、サウンドデザイナー、テスターに至るまで、チーム全員がアイデアや意見を出し合いながら、その意見をゲームに反映させ、より面白いものを作っていこうという姿勢で制作していました。

みんなで作ったゲームが、このような素晴らしい賞をいただけて本当に嬉しく思っています。この度は本当にありがとうございました。

桜井氏によるゲームデザイナーズ大賞の総括

家庭用ゲーム機のVR作品として、最も高い完成度を誇る作品です。
操作するキャラクターのみならず、手にしたコントローラーやヘッドセット(≒カメラ)自体をもゲーム世界に介在させる手法などは、没入感に注視しがちなVR作品に対するひとつの解答になっています。

斬新というよりは磨き込みが光る作品ですが、『ASTRO BOT』でしか味わえないであろう感覚や遊びは多数あり、結果的に唯一の作品であると評価されました。

今年でゲームデザイナーズ大賞は10周年を迎え、そして意外にも、今回が初の大手作品の受賞でした。これまでの受賞作品を振り返るとインディーズ作品紹介コーナーのような感じになっていた印象はあります。

しかし、これまでもこれからも会社の規模などは一切関係なく、常に良い作品を表彰していきたいと思います。どうもありがとうございました。

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