発表授賞式年間作品部門

日本ゲーム大賞2018「年間作品部門」では、去る4月9日から7月20日までの間、インターネットとはがきによる一般投票を実施いたしました。

その後、日本ゲーム大賞選考委員会による最終審査を経て、各賞を決定いたしました。

ゲームデザイナーズ大賞

この賞は日本を代表する10名のクリエイターの投票により、今後の市場発展における一つの指標となる優れた作品、その可能性を持つ作品に与えられる賞です。受賞者にはトロフィーが贈呈されました。

プレゼンター
ゲームデザイナーズ大賞 審査員長 桜井 政博

審査員長 桜井 政博 ご挨拶

桜井氏

皆さんこんにちは。ソラの桜井政博です。
今年で9回目となりましたゲームデザイナーズ大賞を始めさせて頂きます。

ゲームデザイナーズ大賞は、主に独創性をテーマに今回は10人の日本のゲームデザイナー・ディレクターが10点のポイントを各投票作品に割り振って、点数の高かった独創性豊かな作品に賞を与えようというものになります。

日本ゲーム大賞というのは、人気のある作品や販売本数が多かった作品等がどうしても上位になりがちですが、斬新さや、独創性など、そういう別の評価軸で作品を評価することも重要なのではないかということで設立された賞です。

こうして審査員のメンバーを見ると、私が今一番忙しいのではないかと。。。(笑)
ゲームを作るのは本当に大変だなと思っています。

ゲーム デザイナーズ大賞

Gorogoa

Annapurna Interactive

開発者
Jason Roberts 氏

皆さんこんにちは。Jason Robertsです。

この度は授賞式に参加することがかなわず,申し訳ございません。大変悩みましたが,同時期に母との約束があったので,授賞式の参加を断念しました。

今回,このような素晴らしい賞を受賞できるとは思っておらず,驚きと同時にとても名誉なことだと思い,喜びの気持ちでいっぱいです。

ゲーム開発者としては同業者に自分の作品を認めてもらい,満足していただけることはとても難しいことだと理解しているので改めてこの賞の重みを感じています。

開発を始めた頃,皆さんに喜んでもらえる作品が作れるのか,不安でいっぱいだったことを思い出すと,とても感慨深いです。

特に自分をゲームのプレイヤーとしてだけでなく,制作者としても感化させてくれたのは日本のゲームだったので,より一層,そのような思いになります。

投票いただいた方々にお会いできないのは大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。いつか是非お会いしたいです。

このゲームに関わっていただいた音響デザイナーのEduardo Ortiz Frau,コンポーザーのJoel Corelitz,Annapurna Interactiveの皆さんには本当に感謝いたします。彼ら無しではこのゲームは作れませんでした。

最後に,この作品にご投票いただきまして本当にありがとうございました。受賞できたことを本当に光栄に思います。

桜井氏によるゲームデザイナーズ大賞の総括

『Gorogoa』は、絵の階層(レイヤー)を動かし、並べたり重ねたりして進めるパズルゲームです。

話を聞くだけでは昔からあるゲームのように思えるのですが、アートの素晴らしさ、奇想天外な解法、テキストが一切表示されないのに謎めいているストーリー運びや見せ方など、このソフトにしかない美点が詰まっています。

ゲームデザイナーズ大賞は、独創性を最重要視して決める賞です。しかし、作品が知られていなければ、投票されることもありません。

この『Gorogoa』は、遊んだ人は決して多くないであろうと思います。しかし、複数人の審査員がプレイしており、また票を多く与え、得票数としても、支持者数としても、今年度の一位に輝きました。

確かにこの作品は、他に例を見ません。

ゲームデザイナーズ大賞は、今年で9年目になります。今まで海外のインディーズ系の作品が選ばれることが比較的多かったのですが、中にはもちろんインディーズ以外の色々な作品にも票が入っています。

そのインディーズ業界も割と大変で、例えば2017年にSteamで販売されたタイトルは、実に7000本を超えるといわれております。そろそろ様々な市場でレッドオーシャンになっています。大作を作るにも何百人という人たちが関わったり、ゲーム業界の制作側の事情は徐々に苦しいものになりつつあります。

今回の『Gorogoa』にも該当しますが、単純にアイディアだけでは生き残るのが厳しい時代になってきていると感じます。

本作は非常にテクニカルです。設計という意味でも、どうやって設計をしたのかを考えるのがとても難しい作品だと思います。そういう中で独創性の高い作品があったら、ぜひともそれをしっかりと見据えていきたいと思っております。

今日はどうもありがとうございました。

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