大賞・優秀賞
10動説

アマチュア部門 大賞 アマチュア部門 優秀賞

作品概要


タイトル 10動説
プラットフォーム PC
学校名 東京工芸大学
受賞者名 Alice と Teles

大賞・優秀賞 選考理由

「テーマ」をいかに斬新で魅力的な「コンセプト」に落とし込めるか。
コンセプトを「ゲームデザイン」「プログラム」「グラフィック」「サウンド」などを駆使して
いかにゲームとして練り上げ、ユーザーに楽しいひと時を味わってもらえるよう工夫するか。

これは、多くのゲームクリエイターが頭を悩ませるものであり、
個人的にゲーム作りとはどこまで行ってもこれの繰り返しなんじゃないかと考えております。
(もちろん、出発点のテーマは与えられたり、自分で見つけなければならなかったりいろいろですが・・・)

今回は「時間」というテーマが与えられておりました。

優秀賞を受賞したどの作品もこの「時間」というテーマに
真摯に向き合って作られておりましたが、こうして大賞に選ばれました『10動説』は、
その中でも特に < テーマ ⇒ コンセプト ⇒ ゲーム > の落とし込みが見事だと思いました。

モンスターの卵を破壊して回る「安全な昼」とモンスターから逃げ回る「危険な夜」が10秒毎に切り替わり、
その「攻・防の時間」を駆使して生き残るサバイバルアクションゲームというコンセプトは、
ぱっと聞いただけで「新しくて面白そう!」と思えるものでした。

実際にプレイしてみると、ゲームデザインには「時間制限」「自己カウント」「タイミング」
「カウントダウン計算」など、様々な時間を使った遊びの要素が自然に織り交ぜられており
しっかり考えられたゲームデザインだなと感心させられました。

ストーリーやグラフィック、サウンドもこのコンセプトを活かして作られており
テーマからコンセプト、ゲームプレイまで「時間」の面白さを十分に引き出していると感じました。

何よりも好感を持てたのは、チームとしてゲームの完成形のイメージを
常に共有しながら作れているんだなと随所に感じられたことです。

ゲームとしても良いゲームでしたが、チームとしても大賞にふさわしい
良いチームだったのではないでしょうか。

最後に。審査中めっちゃハマってプレイしちゃいました。シンプルに面白かったです。
今回は本当におめでとうございました。

株式会社バンダイナムコスタジオ
村野 大輔

この作品について


プレイヤーはモンスターと対峙。
10秒ごとに切り替わる「昼」と「夜」を生き抜く
サバイバルアクションゲーム。

安全な「昼」はモンスターの卵を破壊し
危険な「夜」は迫りくるモンスターから逃げまどいます。

攻略のポイントは、昼と夜が切り替わる、
その一瞬にタイミングを合わせ敵を見通すソナーを発動させ、攻撃すること。
ソナー発動のタイミングを逃すと、あっという間に襲われます。

切り替えまでの残りの秒数は表示されず、
あくまでプレイヤー自身のカウントダウンに委ねられる
スリル感とテンポの良さが光る作品です。

ゲーム制作者のコメント

この度は、このような大変名誉ある賞を頂き、ありがとうございます。
日本ゲーム大賞という大きな舞台で作品を評価して頂けたことを
チームメンバー一同光栄に思っております。

本作品を制作するにあたって、私たちは今回のテーマである「時間」を
いかにしてプレイヤーに感じて、楽しんでもらえるかを幾度となく試行錯誤しました。

アクションゲームにおいて、今までにない時間による面白さを体現したいという思いは、
チームメンバーを一丸とし、非常に有意義な制作環境でした。

メンバー全員で行う話し合いは、時に衝突もありましたが、それは作品を
より良いものにしようという思いの表れでもあり、それがあったからこそ
現在の形になったのだと思っています。

今回の受賞とゲーム制作で得た経験を励みに、ゲーム業界を盛り上げられるような
クリエイターを目指し、今後もより一層努力していきたいと思います。

本当にありがとうございました。